「Angry Birds」シリーズの最新作「Angry Birds Space」は、まだ「Windows Phone 7」版が提供されていない。だが、同シリーズの開発元Rovio Entertainmentの最高経営責任者(CEO)を務めるMikael Hed氏によると、Windows Phone 7のユーザーも近いうちにこのゲームで遊べるようになるという。これより先に、Rovioの別の幹部がAngry Birds SpaceはWindows Phone 7に対応しないと述べたとする報道があったが、Hed氏の発言はこれを否定するものだ。
この騒動からは、2つの報道を隔てる数時間の間に舞台裏で何らかの興味深い駆け引きがあったことがうかがえる。たとえば、MicrosoftのパートナーであるNokiaが、同じフィンランド企業のRovioに対し、最初の発表について不満を示したのかもしれない。
Angry Birds Spaceで遊べないとなると、Windows Phone 7に新しいユーザーを引き付けるのがはるかに困難になるかもしれない。そうなれば今度は、初のWindows Phone 7搭載端末を米国市場に投入したばかりのNokiaにとって痛手となりかねない。さらには、2012年中にリリースされるとみられるMicrosoftの次期OS「Windows 8」の見通しにも悪影響を及ぼすおそれがある。
Windows 8がスマートフォン市場で新たな主要勢力になるかもしれない点を考慮すれば、スマートフォン分野におけるMicrosoftの影響力が高まっているだけだという可能性もある。
いずれも、Rovioが見せたばかりの突然の方向転換を説明するには妥当な解釈と言えるかもしれない。
Hed氏はReutersの取材に対し、Rovioは「Angry Birds SpaceのWindows Phone 7対応に取り組んでいる」と述べた。
同氏はWindows Phone版のリリース時期について明言しなかったが、この発言は、Rovioで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるPeter Vesterbacka氏がこれよりも先にBloombergの取材で述べた内容を真っ向から否定するものだ。Vesterbacka氏は、MicrosoftのモバイルOSに対応するのは「なかなかの大仕事」だと述べていた。というのも、このゲームは現時点で「iOS」と「Android」に対応しているが、それをWindows Phone 7向けに全面的に書き直さなければならなくなるからだ。
Vesterbacka氏はBloombergに対して次のように述べていた。「アクティベーション数を見ると、AppleのiOSとAndroidが他のどのプラットフォームより多いのは明らかだ。われわれはすべての端末に対応したいと考えているが、ユーザー数の少ないプラットフォームに提供するコストを考慮する必要がある。Windows Phoneの場合、これを技術的にサポートするのは大変な仕事だ」
Vesterbacka氏はさらに、RovioとしてWindows Phone 7版Angry Birds Spaceをリリースする計画はないとも述べている。
Rovioは現地時間3月22日、AppleのiOS、GoogleのAndroid、および「Mac OS X」と「Windows」向けにAngry Birds Spaceをリリースした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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