現在、レコーダー市場はDVDレコーダーからBlu-ray Discレコーダーへと移行されている。だが、DVDからBlu-ray Discに変わったとしても、録画スタイルが劇的に変わるわけではない。
HDDに録画した番組が、HDでディスクに残せる。または、より長時間で高画質に残せる。「これだけ……」と言ったら語弊があるかもしれないが、もともとDVD時代よりHDDからDVDにダビング保存している人は少ないというデータもあり、DVDからBlu-ray Discへの移行は、高画質なハイビジョンソフトを見るという意味はあるかもしないが、録画機としては一般の人にはとってそれほど大きなインパクトはないだろう。
だが、ビデオデッキの時代から連綿と続く録画スタイルそのものに革命を起こす方式の録画機が登場してきた。それが、今回紹介する全録スタイルだ。全録とは読んで字のごとく全部のテレビ番組を録画してしまう方法。「番組を選んで録画予約」する必要が完全になくなる。「録画予約するための番組選び」という行為そのものがなくなり、録り逃しという概念がなくなってしまうのだ。これは録画スタイルに革命が起きるといってもの過言ではないだろう。
全録レコーダーの歴史は古く、アナログ放送時代には、ソニーの「Xビデオステーション VGX-XV80S/XV40S」、PTPの「SPIDER」があり、デジタル放送時代に入ってからは、東芝の「CELL REGZA 55X1」などの記憶が新しい。発売当初の価格は、SPIDERが本体が80万円、サービス利用料が月額6万円、55X1が約100万円といずれもスーパーモデルで、全録は一般の人にとっては夢の機能であった。
だが2011末には、東芝から全録Blu-ray Discレコーダー「レグザサーバー DBR-M190/M180」が、店頭想定価格15~20万円前後で登場。いよいよ2012年から、全録レコーダーの本格普及がなるか! というのが、現在のレコーダーの市場動向だ。
その中で、今回紹介するバッファローの「ゼン録 DVR-Z8」は、店頭想定価格9万9800円と比較的安価な価格設定になっており、全録を始めたい人に向けたエントリーモデル的位置付けだ。
チューナは、地上デジタルチューナのみを搭載。内蔵のHDDは2テラバイト。そのうち1.7テラバイトは全録用の領域で、残りの約300Gバイトは、全録した番組の中で保存したい番組をダビングして残すための保存領域になる。バッファローでは全録を「まるっと全録」というネーミングにしており、画質モードは高画質(約6Mbps)、標準画質(約4Mbps)、低画質(2Mbps)の3種類を用意。高画質では2.7日間(64時間)、標準画質で約4日間、低画質で8日間の録画が可能。つまり、最大で8つのチャンネルを8日間録画することができるわけだ。
録画するチャンネルを選択することも可能。MXテレビのようなUHF局を入れると全局録画できることになる。録画するチャンネル数を減らせば、録画時間の延長が可能。例えば4チャンネルしか録画しなければ、標準画質でも8日間、低画質なら16日間録画ができる。
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