The Wall Street Journal(WSJ)によると、米司法省は、Appleと米国の出版社5社を電子書籍の価格つり上げの疑いで提訴することを計画しているという。
WSJは、この件に詳しい情報筋の話として、提訴の対象となる予定の複数の企業が、金銭的負担の高い独占禁止法訴訟を回避すべく、既に規制当局との話し合いを始めていると報じている。和解が成立すれば、業界に広範な影響が及ぶと考えられるが、同紙によると、訴訟に関連するすべての出版社が和解交渉に臨んでいるわけではないという。
Appleにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
訴訟の可能性に直面している出版社は、HarperCollins Publishers、Hachette Book Group、Macmillan Publishers、Penguin Group、およびSimon & Schusterで、人気の高い書籍の「価格つり上げで共謀した」とされている(Simon & SchusterはCBSが所有する出版社である。米CNET NewsはCBS傘下のCBS Interactiveが運営している)。
今回の訴訟騒動は、Appleが2年前に初代「iPad」を発売した際に、電子書籍に対する出版社による課金方法が変更されたことに起因している。書籍出版社らは、「エージェンシーモデル」の採用を開始しており、同モデルでは、出版社が自社の電子書籍の価格を設定する。これに対して従来の卸売モデルでは、出版社が小売価格を設定し、小売業者が独自の販売価格を設定する。
この価格モデルが確立したのは2010年で、その前には、書籍出版社らがAmazonに対して同ウェブサイトの電子書籍の価格を引き上げるよう求めたが、9.99ドル以上は高すぎるとしてAmazonが自社の方針を堅持するということが起きている。その後、Macmillanが人気の高い多くの書籍をAmazonのサイトから引き上げたことを受けて、Amazonは態度を軟化させた。
Appleとこれらの出版社らは、この価格モデルを巡って2011年に提訴されている。原告側は、エージェンシーモデルのせいで、書籍を購入する際の支払い金額が高くなったと訴えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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