米国時間3月1日は重大な日だ。しかし誰もがそれを手放しで歓迎しているわけではない。
検索大手Googleは同日、同社の新しい統合されたプライバシーポリシーを正式に導入した。Googleは同社のプライバシーポリシーに関するページで、多数の自社サイトでの情報の収集方法から、それらすべての情報の利用方法にいたるまでのあらゆる事柄を説明している。
同社は2012年1月、多数ある同社サービスのすべてを対象とする統合されたプライバシーポリシーを導入するという計画を発表し、これによって「素晴らしくシンプルで、直感的なユーザーエクスペリエンス」が実現されると述べていた。
しかし、この動きを誰もが歓迎したわけではない。米CNETは1日、フランスのデータ保護当局であるCNIL(情報処理及び自由に関する全国委員会)が、Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるLarry Page氏に宛てた2月27日付けの書簡を入手した。そこには、同プライバシーポリシーはEUの規則を遵守していない可能性があると記されていた。
「CNILおよびEUのデータ保護当局は、複数のサービスにわたる個人データの統合について深く懸念している」と書簡には記されている。「そのような処理の適法性および公平性、そして、欧州データ保護指令に対する遵守性について強く疑問を抱いている」(CNILの書簡)
CNILはこの数週間、Googleの新しいプライバシーポリシーに対する調査を実施してきた。同機関は、EUの第29条作業部会からの要請を受けて、この分析を主導したと述べている。同作業部会はGoogleに対し、同社のプライバシーポリシーの導入を「一時中断」するよう求めた。しかしその要請は、Google本社には受け入れられなかったようである。
EUの司法担当委員Viviane Reding氏は、フランスによるこの動きを全面的に支持することを表明し、CNILの要請を無視したGoogleを激しく非難した。
「新しいプライバシーポリシーがEUのデータ保護に関する規則を遵守しているかどうかという疑問が解決されるまで、新ポリシーの導入を延期するようGoogleに求めたフランスのデータ保護当局の要請を支持する」とReding氏は米CNET宛ての声明で述べた。「フランスのデータ保護当局による懸念に対応する前に、Googleが新ポリシーを導入したことは残念である」(Reding氏)
「欧州の消費者にサービスを提供するすべての企業は、そのプライバシーポリシーに関する明確な情報を顧客に提供する必要がある」と同氏は続けている。「欧州では、インターネット関連サービスの利用について、消費者が十分な情報に基づいて決断できるようにしなければならない」(Reding氏)
米CNETは法的問題に発展する可能性のある本件についてGoogleにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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