UPDATE Googleが、Appleの「Safari」ブラウザにおけるデフォルトのクッキー設定を迂回していたという報道を受けて、2件の申し立てが米連邦取引委員会(FTC)に提出された。これを受け、ユーザーが希望しない限り複数サイト間での行動履歴が追跡されることのないよう、ウェブ利用者を保護する法規制および業界規格を求める声が再び相次いであがっている。
Googleは今回、サードパーティークッキーによるユーザーの行動履歴追跡を原則的に禁止しているSafariの例外設定を利用した。公平のために記すと、こうした企業はGoogleだけではない。Google以外に3社のオンライン広告企業がこの抜け穴を利用していたと、The Wall Street Journalは報じている。これとは別にGoogleは、ユーザーによる「DoubleClick」クッキーのオプトアウトを可能とする「Ads Preferences Manager」を提供しており、これを考えると、Safariであえて設定を迂回しなければならなかった理由が見当たらない。
Googleは、Safariのバックドアを利用することによって、「iOS」端末を利用する「Google+」ユーザーに「+1」ボタンを表示していると釈明している。ユーザーは+1ボタンを使って、広告の中に気に入った製品やサービスを見つけた場合に、それを自分の仲間に勧めることができる。同社は声明で、「われわれは2011年に、SafariでサインインするGoogleユーザーのうち、パーソナライズされた広告などのコンテンツの表示や興味のあるコンテンツを『+1』する機能などを希望する人のために、これを利用し始めた」と述べた。
残念ながら、この実装によって、意図したわけではなかったがGoogleの他の広告クッキーが同ブラウザで利用可能になってしまったとGoogleは述べている。Googleクッキーは一時的なものだが、これによって他のクッキーの設定が可能になってしまった。「現在、これらの広告クッキーをSafariブラウザから削除し始めている」と同社は述べ、同コードを無効にしたと付け加えた。「他のブラウザ上と同様に、これらの広告クッキーは個人情報を収集しないことを強調しておく」としている。
Google内では、あるチームがSafariのデフォルト設定を回避していた一方で、Google Chromeチームはこのバックドアを修正するようAppleに促していた。どうやら両チームは互いの活動を知らなかったようだ。「Chrome」を担当するエンジニアらは7カ月ほど前に、この抜け穴の存在をAppleに通知していたが、抜け穴はそのままの状態で放置されていた。
Apple関係者は米CNETに対し、「複数のサードパーティーがSafariのプライバシー設定を迂回していることは認識しており、これを阻止するよう作業している」と述べた。
一方、GoogleのChromeチームは、サードパーティークッキーを遮断するというSafariのデフォルト設定どおりの機能をユーザーが利用できるようにするためのプラグイン「Advertising Cookie Opt-Out Plugin」を提供している。奇妙なことに、そのページに記されていたSafariにおけるデフォルト設定を確認するための手順は、The Wall Street Journalがニュース記事を作成している間に削除されていたという。
World Privacy Forum(WPF)とConsumer Watchdogの両団体は米国時間2月17日、Googleの不公平かつ欺まん的な行為、および、以前の同社ソーシャルネットワーク「Buzz」を巡って2011年にFTCと和解した内容に対する同社の違反をFTCに訴えた。
WPFの訴え(PDFファイル)によると、Googleは「消費者に与えられた選択肢や、ユーザー自身が制御可能な範囲について不当な表示」をし、Buzzのときの和解内容に違反しているという。また、WPFはSafariのデフォルト設定を迂回したとされる他の広告企業Vibrant Media、Media Innovation Group、PointRollも調査するようFTCに訴えている。
またFTCの関係者は、Consumer Watchdogからの申し立てもあったが、それ以上の詳細はコメントできないと述べている。
コメントを求められたGoogleは声明で「問題に対応するために緊急措置をとっている。規制当局やそのほかの機関から寄せられるいかなる質問にも喜んで応じたい」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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