Appleは、公正労働協会(FLA)に対し、中国の深センおよび成都にある同社製品を製造するFoxconnの工場を監査するよう求めたことを明らかにした。今回の動きの前に同社は、サプライチェーンの労働条件について激しい批判を受けていた。
Appleによると、労働者の権利に関する専門家からなるチームが現地時間2月13日、Foxconn Cityの査察を開始したという。Foxconnは、Appleに向けて「iPad」および「iPhone」を製造している。FLAは、自らを次のように説明している。
1999年に設立されたFLAは、社会的責任を担う企業、大学、および市民社会組織による共同の取り組みであり、世界中の工場における労働条件改善を目的としている。FLAは、ILOの基準に基づくWorkplace Code of Conduct(職場での行動規範)を定め、これらの基準を満たすための実践的な監視、改善、および検査の手続きを策定している。
Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は声明で、次のように述べた。
われわれは、いずれの場所の労働者にも安全で公正な労働環境に対する権利があると信じている。したがって、当社最大規模のサプライヤーの実績を独自に評価するようFLAに依頼した。
Cook氏は、Appleが自社のサプライチェーンの状態を監視していないという主張に対して強い不快感を示していた。以前にも報じたとおり、中国のメーカーに自社製品の製造を委託する企業はAppleだけではない。
AppleとFLAとの間の契約の下、監査員らはFoxconn、Quanta、およびPegatronの施設を、制約を受けることなく査察できることになっている。これらの契約メーカー3社で、Appleの製品組み立ての90%を占めている。
Appleは、他の技術企業と同様に、同社サプライチェーンの監査を公表している。しかし、第三者機関による確認があれば、それら監査の品質をさらに高めることができる。
Appleは、早くからFLAに加盟した企業の1つである。しかし、同組織に加盟する企業は主に、Adidas、Puma、New Balance、Nike、Liz Claiborneなどのアパレル企業である。Appleに続いて、他の技術企業も今後FLAに加盟し、社外監査を実施することになる可能性は高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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