Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は、中国の部品サプライヤー1社における過酷な労働環境が報じられた翌日、同社がサプライチェーンに身を置く作業者すべてを大切に考えており、それに反することを示唆した報道は「明らかに間違っており、不快」と述べた。
The New York Times(NYT)は米国時間1月25日、多くの怪我人や数名の死亡者が出ている工場の危険な環境に関する記事を公開した。この記事は、成都にある工場で発生し4人の命を奪った爆発事故を取り上げ、iPadを製造するFoxconn Technologiesの工場に数カ月勤務し、当時22歳だった作業員Lai Xiaodongさんの最後の1カ月を追っている。
Foxconnの元幹部はNYTに対し、「Appleが気にかけているのは製品の品質を上げること、そして、製造コストを下げること」と語っている。恐らく最も問題視されるべきは、Appleの元幹部が「一部工場における作業者の酷使を4年間にわたり認知していた」と語ったことだ。
Appleは25日夜、米CNETからのコメントの求めに応じなかった。しかし、Cook氏は26日、同報道で指摘された問題に答える電子メールを社員に送付し、9to5macがそのコピーを入手した。
Cook氏は、「われわれは、全世界のサプライチェーンに身を置くすべての作業者を大切に考えている」と述べている。「いかなる事故についても非常に憂慮しており、作業環境に関するいかなる問題も懸念すべき事項である。われわれが何も考えていないとするいかなる示唆も誤りであり、不快である」(Cook氏)
Cook氏は、Appleが年次監査を同社の部品サプライヤーで実施しており、作業者に対する権利についての教育に注力していることを指摘した。「われわれは毎年、より多くの工場を検査し、パートナーに求める基準を引き上げ、サプライチェーンへの関与を深めている。われわれが1月に入って報告したように、非常に目覚ましい進展を見せるとともに、多数の作業者のために環境を改善している。われわれのいる業界において、Appleと同規模、そして、同数の場所において取り組みを行い、多くの人々に手を差し伸べている企業はない」(Cook氏)
また、Cook氏は、社員に対し、Appleが「サプライチェーンにおける問題に手を打たない、もしくは見て見ぬ振りをするということはない。このことについて約束する」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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