また、ChromeがほかのモバイルOS、特にiOSに搭載されることを期待してはいけない。Appleは、ほかのブラウザがウェブページのレンダリングに同社の「WebKit」エンジンを使用している場合にのみ、iOSへの搭載を認めている。ChromeはWebKitと同じ系統だが、例えばJavaScriptエンジンが異なるなど、少し違ったものがバンドルされている。
「iOSでは、V8や、われわれのマルチプロセスアーキテクチャを動かせない。多くの制約がある」(Pichai氏)
Android向けChromeは、コンピュータ向けブラウザ「Chrome 16」をベースとしている。Googleは、デスクトップ版と同様に、Android向けChromeを6週間ごとにアップデートして、最終的にはブラウザのバージョン番号を合わせる計画だとPichai氏は述べている。
「われわれの目的は、(Chromeのデスクトップ版とモバイル版の)ギャップをできる限り小さくすることだ」(Weber氏)
Pichai氏は、Android向けChromeではFlashをサポートしないとしている。GoogleはFlashについて、同技術を作り出したAdobe Systemsと密接な協力関係にあったが、2011年にAdobeがFlashをデスクトップからモバイルへ拡張する計画を取りやめたことで、難しい選択を免れている。
Android担当エンジニアディレクターのDave Burke氏によれば、ネイティブな速度で動作するようコンパイルされたウェブアプリを実行させるための、Google独自のNative Clientも搭載されていないという。そうしたソフトウェアのためには、プログラマーは単にAndroidのネイティブアプリを記述することになるとBurke氏は述べている。
しかし、Googleはモバイルウェブに強い関心を抱いている。そしてモバイルウェブは財政的に非常に重要だ。
J.P. MorganのアナリストのDoug Anmuth氏は、2月6日に発表した調査レポートで、「Google検索の7件に1件がモバイルデバイスで行われると考えている」としている。
広告主は、人々が広告をクリックしたときの支払額として、PCと比べて、モバイルでは1広告当たり半分から4分の1しか支払っていない。しかし、モバイル利用が増えれば、広告主による入札も増え、1クリック当たりのGoogleへの支払額も高くなるだろうとAnmuth氏は述べている。
しかし全体として、Googleが心を躍らせているのは、一流企業としてのブランドを動きの速い、重要な市場の最も目立つ場所へとついに位置づけられたことのようだ。
Pichai氏は、「モバイルブラウジングは未成熟な段階にあると思う。携帯電話がパワフルになり、スクリーンが大型化して、解像度が高くなり、3Gから4Gへの移行で接続性が改善されていけば、モバイルブラウジングは大きく成長できるだろう」と述べている。また同氏はAndroid上でChromeを使うようになって、「ブラウザを利用する機会が飛躍的に増加した」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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