サムスン電子は、またしても法廷闘争で痛手を受けた。Appleに対する同社の訴えを、ドイツの裁判所が現地時間1月27日に退けたからだ。同裁判所がサムスンの申し立てを棄却するのは、この1週間で2回目となる。
この訴訟では、先日棄却されたもう1件の訴訟と同様、Appleが3G無線技術に関するサムスンの特許を侵害したとされていた。知財訴訟に関する話題を扱うブログFOSS Patentsを運営するFlorian Mueller氏によると、ドイツのマンハイム地方裁判所は棄却の理由を明らかにしなかったという。
Mueller氏はブログで次のように述べている。「サムスンにとって、今回の結果は落胆すべきものだったに違いない。だが、韓国の電機大手サムスンはその闘争心で知られており、このまま引き下がるとは思えない」
サムスンはこの敗訴について、早々に見切りをつけた様子だ。
同社は米CNETに電子メールで声明を寄せ、次のように述べた。「本日の判決は、マンハイムの裁判所で当社が主張している複数の特許の1件に関連したものにすぎない。また、Appleがドイツでサムスンの他の知的財産権を侵害したことが認められるかどうかを示唆することにおいて、何ら意味のないものである」
現時点で、Appleからのコメントは得られていない。
今回の訴訟は、両社が複数の国や裁判所で大規模に繰り広げている法廷闘争の1つだ。その狙いは、主要市場で決定的な法的勝利を収め、双方の対立を解消してクロスライセンス契約に持ち込むことにある。現在のところ、その達成は困難な状況だ。
実際、サムスンはマンハイム裁判所で係争中の訴訟を他にも複数抱えている。
サムスンは、「当社が保有するその他の電気通信規格関連特許については、今後数週間以内にマンハイム裁判所から判断が言い渡される予定となっている」と述べた。
Appleとサムスンは、法廷闘争だけにとどまらず、スマートフォンで優位に立とうと市場での争いをますます激化させている。2011年第3四半期にはサムスンがスマートフォンメーカーとして首位に立ったが、同年第4四半期にはAppleが「iPhone 4S」効果で首位に返り咲いた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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