Microsoftは、「Windows 8」で「Resilient File System」(ReFS)への移行を目指しているが、同OSのサーバエディションだけがこの新しい強化版ファイルシステムをサポートすることになる。
ReFSは、登場から20年近くになる現行のNTFS(NT File System)というファイルシステムを基盤に構築される。ただし、特にサーバ向けにいくつかの利点を提供するため、根本部分から改めて設計されてきた。
MicrosoftのStorage and File Systemチームで開発マネージャーを務めるSurendra Verma氏がBuilding Windows 8というブログの最新投稿で説明しているように、ReFSは「Windows Server 8」の一部としてリリースされ段階的に導入される予定のため、IT管理者は2012年末までに使えるようになるだろう。
ReFSはNTFSの一部機能を使用するため、旧ファイルシステムとの下位互換性を維持するよう設計されている。これにより、Windows 8搭載クライアントは、サーバ上におけるReFSハードディスクのパーティションや共有部分が読み書き可能になり、現在NTFSを実行しているクライアントでできることを同じように行える。ただし、その名称が示唆するように、この新ファイルシステムでは復元性を強化しており、データ検証、エラー修正、および拡張性が改善されている。
復元性の強化に加えて、ReFSは以下の表で示すように個々のファイル、ディレクトリ、ディスク容量といった項目の最大値を増やしており、これらの点でもNTFSに勝ることになる。
サーバ管理者たちが抱く懸念に対処するため、Microsoftは膨大な量のテストを実施して、この新ファイルシステムが信頼でき期待通り動作することを確かめた、とVerma氏は述べている。ただしMicrosoftは、なおもIT部門に対し、ReFSの導入の際は時間をかけ慎重に進めること、実装前に各自社内テストを実施することを呼びかけている。
Microsoftはまた、段階を追ってReFSを強化していく。
Verma氏は次のように説明している。「われわれはReFSの機能を段階的に進化させて完成させる予定で、まずはWindows Server向けのストレージシステムとして、次にクライアント向けのストレージとして、そして最終的にはブートボリュームとして使えるようにする。これは、われわれが過去に新しいファイルシステムを採用したときと同じ進め方だ。当初、われわれが行う一次テストは、ReFSをファイルサーバとして実行することに注力する。当社は、顧客がファイルサーバとして利用することで恩恵を受けることを期待しており、特にミラーリングされたStorage Space上で効果がある。われわれはまた、ストレージパートナーと協力して、各社のストレージソリューションと統合することも計画している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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