ジャパンベンチャーリサーチ(JVR)は1月16日、2011年に設立された国内のベンチャーファンドに関する調査レポートを発表した。レポートによれば、2011年に設立されたベンチャーファンドは22本で、8本まで減少した2009年以来、2年連続での増加となり、2008年の20本と同水準にまで回復した。
ファンドの調達金額も2年連続で増加し、約450億円を集めたが、2008年(約760億円)の約6割の水準にとどまった。また、年々低下の傾向にある1ファンド当たりの平均規模は20億円で、2008年の半分程度となった。コンテンツファンドを除くファンドの調達金額をみると、2011年は10億円以下の小規模ファンドが12本と半数以上を占めた。
IT関連企業を投資対象とするファンドは9本設立され、そのうちIT関連企業のみに特化したファンドは7本、IT関連スタートアップに特化したファンドは5本と、近年に比べ大きく増加した。クリーンテックやエネルギー関連を投資対象とするファンドは5本、そのうちクリーンテックとエネルギー関連に特化したファンドは3本となり、2008年以降で最も多くなった。
一方で、IT関連企業特化型ファンドの調達金額は7ファンドの総額で136億円にとどまった。2008年の3ファンドが調達した181億円にも及ばず、1ファンド当たりの規模は約3分の1へと大きく低下した。
これには、ITシステムインフラの発達により起業コストが低下したことや、少額投資とインキュベーションを組み合わせた投資スタイルを特徴とするスタートアップ特化型ファンドの増加が背景にあるとみられる。2009年の独立系ベンチャーキャピタル(VC)に始まったこの動きは、2011年にはIT系コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)やIT企業が出資をする独立系VCファンドへと広がりを見せており、ファンドの小規模化の主因となっているという。
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