モバイル端末向けの画像処理技術を提供するモルフォは7月21日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場した。株価は、1株あたりの公募・売り出し価格と同じ2250円の買い気配で始まったあと、大量の買い物を集めつつ気配値を切り上げていった。結局、買い気配に終始し、初日は値が付かない人気ぶりで、最終気配値は公募・売り出し価格の2.3倍となる5180円だった。
同社は、デジタル画像処理技術の研究をしてきた東京大学出身の技術者らを中心に、2004年5月に設立。株主には、ユーテック一号投資事業有限責任組合(1号ファンド)、Nokia Growth Partners II、NTTドコモ、パナソニックが名を連ね、国内メーカーのほとんどの携帯電話には同社の技術が組み込まれている。この中の1号ファンドは、東京大学エッジキャピタル(通称UTEC)が運営(投資約束総額約83億円)しており、起業時から支援を続け、UTECが投資して株式の上場・公開まで至った企業としては2例目となる。
2006年6月に静止画6軸手ブレ補正技術「PhotoSolid」を初めてライセンス提供。その後、画像を高速表示する「ImageSurf」、ワンセグ映像フレーム補間の「FrameSolid」、シーンを自動認識する「PhotoScouter」、単眼カメラで3D画像を生成する「Morpho Slide 3D」などの組み込み用画像処理技術を、携帯電話を始めとするモバイル端末にライセンス供給してきた。2011年4月末には累計で3億ライセンスを超えている。
今回調達した8億6700万円は、スマートフォン向けなどの研究開発費に充てる。
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