Appleは米国時間1月13日、製品の製造方法やそれに関与する人の労働環境などについてさらなる透明性を確保するための手段を講じた。
同社は、監査の様子を詳細に記した進捗報告書を公表し、監査の回数が2010年から80%増加したことを明らかにした。
Appleは、児童労働問題の解決に取り組み、その数を「大幅に削減」したと述べた。しかし、製品の組立を行うサプライヤーには問題が見当たらなかったものの、部品メーカーでは現在進行形の問題が6件、過去の事例では13件存在したとも述べている。また、サプライチェーン内の百万人以上の従業員を対象に、自らの権利について教育したと付け加えた。
Appleの年次報告書では他に、週の労働時間を60時間以内とする規則に従うサプライヤーはわずか38%だったことが明らかになった。また14の施設を検査したところ、環境基準に関する同社のコンプライアンス規約に対する「数件の違反事項」が検出され、58施設の施設において、大気汚染物質排出システムの是正が行われたという。
また、Appleは公正労働協会(Fair Labor Association:FLA)に加盟する初の企業となった。同協会は、Appleのサプライチェーンの独立監査機関となる予定である。
Appleのオペレーション担当シニアバイスプレジデントを務めるJeff Williams氏は声明で、「FLAに承認された最初の技術企業となることを非常に光栄に思う」と述べた。「われわれは2011年、世界中のサプライヤー施設で200回を超える監査を実施した。FLAの経験と専門技術を活用して引き続き労働環境の改善を促進し、サプライチェーンのさらなる透明性を確保していく」(Williams氏)
またAppleは製造委託先を列挙した2ページからなるサプライヤーリスト(PDF)を公表した。このリストの中で同社は、これらの企業が「世界中の製品の資材、製造、組立のためのAppleの調達支出の97%」を占めると記している。
今回の最新報告書は、Appleの主要な製造パートナーの1社であるFoxconnに関する論争が巻き上がる中、公表された。Foxconnでは2012年1月、過酷な労働条件を強いられているとして従業員らが集団自殺すると脅す騒ぎがあった。Foxconnは先週に入り、この件について一部の従業員とは和解したが、従業員45人が同社を退職したと述べた。Foxconnではこの数年間で、10人以上の従業員が施設内で自殺している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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