ARMベースのプロセッサを次のターゲットに見据えたIntelはこのほど、こうした動きの現れとして、複数の携帯端末を披露した。
Technology Reviewは米国時間12月21日、最近になってIntelの「Atom」をベースにしたシステムオンチップ(SoC)「Medfield」(開発コード名)搭載のスマートフォンとタブレット端末を試す機会があったと伝えた。これらの端末は「リファレンスデザイン」と呼ばれるもので、Intelのプロセッサを搭載する製品を携帯機器メーカーに開発してもらうための呼び水となる試作端末だ。また今回の場合は、Intelが計画してきたことをある程度知ってもらうことも、開発目的の1つだった。
IntelがMedfieldプロセッサにかける期待は大きい。ここ数年にわたり、同社はARMが低消費電力のプロセッサでモバイル市場を独占するのを傍観するだけだった。Intelの提供する選択肢は、多くの機能において十分強力だが、バッテリを多く消費することが明らかになっており、このため携帯機器メーカーはIntelが何か新しい製品を用意できない限り、同社製プロセッサの採用を見送る状況となっている。
IntelはTechnology Reviewとのインタビューの中で、現在店頭に並んでいる主要な「Android」端末に搭載されているプロセッサと、同社のプロセッサを比較したと述べた。そしていずれの場合も、Intelのプロセッサの方が「上位3機種よりブラウジングとグラフィックスのパフォーマンスが高速で、電力消費は低かった」という。
こうしたIntel側の主張は、Technology Review自身が同社提供のリファレンスモデルであるスマートフォンを試した結果とも一致するようだ。この端末は「Android 2.3」(開発コード名「Gingerbread」)を搭載し、外観は「iPhone 4S」に驚くほどよく似ており、「高速な」ウェブブラウジングと「強力な」処理性能(スループット)を実現していたと、Technology Reviewは述べている。タブレットの方では、Technology Reviewは「Android 4.0」(開発コード名「Ice Cream Sandwich」)を搭載したIntel提供モデルについて、現在販売されている「Android 3.x」(開発コード名「Honeycomb」)搭載端末より「はるかに使いやすい」と評価している。
スマートフォンやタブレットの人気が高まり続ける中、Intelは何としてもこれらの分野で地歩を得たいと考えている。SoCの開発に加えて、同社はモバイル関連分野に改めて集中的に取り組むための大規模な組織再編も実施した。
IntelはTechnology Reviewに対し、2012年前半のどこかの時点でMedfield搭載端末を発表する計画だと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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