M・アンドリーセン氏が考える2012年--「ソフトウェアが世界を飲み込む」 - (page 2)

Paul Sloan (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年12月26日 07時30分

--どのようなEコマース企業に注目していますか。

Andreessen氏:先日、急速に成長しているFab.comに投資したばかりです。ほかにはAirbnbもあります(Andreessen-Horowitzは投資会社だ)。Airbnbは垂直市場で成長しています。同社のソフトウェアは不動産業界と家具業界を侵食しています。ほかに魅力的な企業といえば、われわれはまだ投資していませんが、眼鏡を扱うWarby Parkerというオンライン小売企業があります。同社のソフトウェアはLens Craftersを侵食しています。

 こうした状況はさまざまな垂直市場において数多く見受けられます。多くの消費者が、PCを所有し、インターネットを利用しており、今ではスマートフォンを持っているからです。わたしは垂直的な専門化が今後も続くと見ています。また、2012年から2013年にかけて、シリコンバレースタイルのキラーソフトウェア企業があらゆる垂直市場や分野に登場するでしょう。3~4年前では存続できなかったような企業です。

--それはEコマースだけですか。

Andreessen氏:Eコマースは2011年、垂直市場のパーソナライゼーションを育む役割を果たしました。2012年には、垂直市場の広範な拡大がEコマース以外の分野にも波及するでしょう。それはコンテンツかもしれないし、新しい種類のサービスプロバイダーかもしれません。

--そういうものは既にいくつか出てきていますね。

Andreessen氏:われわれが関わっていない企業で、わたしが特に気に入っているのはUberです。Uberはタクシー業界を飲み込むソフトウェアです。タクシーをユーザーのもとに連れてくるスマートフォンベースのアプリケーションと言ってもいいでしょう。素晴らしい体験をもたらします。ユーザーは、タクシーが自分の方に近づいてくる様子を携帯電話上のマップで確認できます。

 それはスマートフォン特有のものです。今後はあらゆる分野でそうしたものが出てくるでしょう。ZaarlyやTaskrabbitのようなタスクサービスは、スマートフォンから利用できる、オンデマンドの分散型モバイルワークフォースのようなものを提供しています。

 これらは経済のさまざまな側面を垂直市場という面やカテゴリという面に切り取っていって、それをスマートフォン経由で提供します。スマートフォンはそれらのサービスの強力なネットワークにつながり、バックエンドではクラウドコンピューティングが動いています。今、さまざまな企業がこうしたことを次々に実行しています。

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