700/900MHzへのオークション導入は将来の検討材料--政府懇談会

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 総務省による「周波数オークションに関する懇談会」が12月19日に開催され、全15回の会合がすべて終了した。

 前回までにとりまとめた報告書案に対する意見募集の結果を踏まえ、報告書記載変更などについて構成員に報告。先の行政刷新会議でも話題にのぼった700/900MHz帯のオークション実施については、将来的にオークション対象とする可能性を検討するとしつつ、現在進行中の割当作業については従来通りの選定方式となることを明言した。

 12月12日までに寄せられた意見は法人26件・個人9件の計35件。「特別な社会的影響力を有する情報発信手段である放送はオークション対象外と明記すべき」とする静岡朝日放送など、多数の放送局から意見が挙がった。逆に「放送帯域と通信帯域は平等にオークション対象とすべき」とするソフトバンクモバイルほか通信事業者の意見など、一部が会合でも紹介された。

 これらの意見を受け、懇談会事務局では5つの修正内容を提示。700/900MHz帯の将来におけるオークション対象化や払い込み金納付における分割の可能性を残す記述への変更(「一括払いを原則とすることが適当」と表現)、また制度整備後において第四世代移動通信システム用以外の周波数も含め速やかに実施していくことが適当などの文言が追加された。

 また意見募集においても、「先の提言型政策仕訳の内容を参照すべき」という意見が多数寄せられた。3.9世代携帯電話からオークションを導入した上で一般財源化すべきという内容だが、懇談会事務局が改めてこの件について言及。総務省では、有識者会議である懇談会で即座に対応することではないとしつつ「最大限理解し政策に活かしていくという立場」とするに留めた。

 なお修正点について、懇談会構成員は「(700/900MHz帯について)少なくとも今回の選定でオークションを採り入れないのであればそう明示したほうがよい」(鬼木甫構成員)、「現在進行形の700/900MHz帯を『割り当て済み』と表現するのは誤解を与えるのでは」(吉川尚宏構成員)などと指摘。事務局は「広い表現を目指した」と説明した上で、追って表現を改める方針を示した。

最終回、各構成員が感想と意見

 最終回となった今回は、各構成員が感想と懇談会の評価を述べた。懇談会の議論については「いかにあるべきかを中立に議論できた」(林秀弥構成員)、「さまざまな意見が出るも対等な議論ができた」(藤原洋構成員)と概ね評価する声が多数。

 また、今後の大きな課題として「制度設計における透明性の確保」(大谷美和子構成員)と運営に向けた制度設計に関する内容が多くあがり、「公正競争確保に向けたイコールフッティング方式の採用を」(鬼木構成員)、「既存免許人の引っ越し費用負担に関する検討が必要」(吉川構成員)といった具体的な内容を示すケースも見られた。

 座長を務めた早稲田大学国際学術院アジア太平洋研究科教授の三友仁志氏は「懇談会は政治のプロセスとは独立して政策におけるひとつの考えを示す場であり、その意味で我々の責務は終わったと思う」と評価。その上で、早期の制度設計とオークション導入を求めていく考えを示した。なお懇談会でまとめられた報告書案は、次期通常国会で法案提出される見込み。

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