総務省による第13回「周波数オークションに関する懇談会」が11月2日、省内第一特別会議室で開催され、事務局からこれまでの議論を踏まえた報告書骨子案などが示された。
報告書案では、オークション制度導入の目的について「電波の有効利用推進および無線局免許手続きの透明性・迅速性の確保」と定めたほか、制度設計や実施方法によっては新規参入や市場競争促進、さらにイノベーション促進や国際競争力強化につながる可能性があると指摘。加えて払込金の収入により、国の財政収入増効果もあるとした。
オークション対象については、当面「電気通信事業用の移動通信システムを対象とすることが適当」と明示。また落札者が得る法的地位については、一定の有効期間が必要としているが、その期間設定については個々の投資回収期間なども踏まえて、オークションごとに個別の設定が適当であるとしている。
収入の使途はオークション事務経費などのほか、電波有効利用に資するICT振興に充てることで電波利用者への利益還元し、また国の財源として国民全体に還元する。オークション収入は落札者が周波数の経済的価値に対して支払うものであり、いわば電波利用者の共益金である電波利用料とは性格が異なるものと位置付けている。
その他、入札方法については諸外国の主要なオークションで用いられている「同時複数ラウンドオークション」を提案。入札条件としては一定のエリア・人口カバー率を義務付けるほか、資金力のある事業者が大部分の周波数を落札するなどの状況を回避するために、入札できる周波数幅の上限設定、あるいは新規・後発事業者のみが入札できる枠の設定など、公正競争を確保するための措置を設けておく必要があるとした。
周波数オークション制度は、2012年に国際標準化、2015年には実用化が想定される第4世代移動通信システムに用いる周波数(3.4GHz~3.6GHz)免許人選定から実施する見通しで、報告書案では「速やかに必要な法律案を国会に提出するとともに、オークション実施のための体制整備などを図っていくべき」と締めくくっている。
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