シリコンバレーで大きな成功を収めている多くの起業家や企業幹部が、ワシントンDCへの新たな公開書簡の中で、物議を醸している「Stop Online Piracy Act」(SOPA)の危険性について警告している。
同書簡はGoogle共同創設者のSergey Brin氏、Twitter共同創設者のJack Dorsey氏、PayPal共同創設者のElon Musk氏、Yahoo共同創設者のJerry Yang氏などの署名入りだ。The New York TimesやThe Washington Postなどの新聞に有料広告として掲載予定である。
この書簡のタイミングは決して偶然ではない。SOPAを起草したLamar Smith下院議員(テキサス州選出、共和党)は、わずかな修正が加えられたものの未だに激しい議論を呼んでいる同法案(SOPA v2.0と呼ぼう)の委員会投票日を米国時間12月15日に設定している。
15日の委員会投票を前に、インターネットエンジニア、FacebookやTwitter、Google、Zyngaを含むウェブ企業、市民権および人権団体からの反対が強まっている。ハーバード大学法学部教授のLaurence Tribe氏はSOPAについて、米憲法修正第1条違反であり、「議会は同法案を成立させるべきではない」と述べた。
公開書簡の内容は以下のとおりだ。
ワシントンへの公開書簡
われわれは皆、起業家精神や革新、コンテンツの創造、オンラインでの表現の自由を促進する規制環境の中で、インターネット企業および非営利組織を創設する幸運に恵まれた。
しかしわれわれは、オンラインでの著作権違反行為を抑制するという善意の取り組みとして始まったPROTECT IP ActとStop Online Piracy Actが、そうした枠組みに悪影響を及ぼすのではないかと懸念している。
これら2つの法案によって、以下のような憂慮すべき事態になるおそれがある。
- われわれが創設に関与した類のウェブサービスに対して、ユーザーのリンク先やアップロードファイルの内容を監視することが義務づけられる。これは、ぞっとするような悪影響を革新にもたらすだろう。
- 正当な法の手続きを受けるウェブサイト所有者の権利が否定される。
- 中国やマレーシア、イランが使っているような手法によってウェブを検閲する権限を米国政府が得てしまう。
- インターネットの基本構造を変えることによって、オンラインセキュリティが脆弱になる。
われわれは議会に対し、インターネットを支える規則を変える前に熟慮することを求める。われわれが享受したのと同じ機会を次世代の起業家や創設者にも提供しよう。
Marc Andreessen(Netscape、Andreessen Horowitz共同創業者)
Sergey Brin(Google共同創業者)
Jack Dorsey(Twitter、Square共同創業者)
Caterina Fake(Flickr、Hunch共同創業者)
David Filo(Yahoo共同創業者)
Reid Hoffman(LinkedIn共同創業者)
Arianna Huffington(The Huffington Post共同創業者)
Chad Hurley(YouTube共同創業者)
Brewster Kahle(Internet Archive創設者、Alexa Internet共同創業者)
Elon Musk(PayPal共同創業者)
Craig Newmark(craiglist共同創業者)
Pierre Omidyar(eBay創業者)
Biz Stone(Obvious、Twitter共同創業者)
Jimmy Wales(Wikipedia、Wikimedia Foundation創設者)
Evan Williams(Blogger、Twitter共同創業者)
Jerry Yang(Yahoo共同創業者)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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