リコーは12月13日、ペーパーレスで会議やプレゼンテーションを行えるiPad向けアプリ「RICOH TAMAGO Presenter」をバージョンアップした。アップルの「App Store」から無料でダウンロードできる。
RICOH TAMAGO Presenterは、サーバなどを設置することなく、アプリを所有する人同士で資料(PDFファイル)を共有できるのが特長だ。現在は、10台以下での使用を推奨している。
RICOH TAMAGO Presenterは11月のバージョンアップで閲覧資料への手書きメモに対応。Evernoteにも対応し、手書きのメモも含めた資料を保存できるようにした。さらに今回のバージョンでは、ユーザーからの要望が多かった「サムネイル表示機能」と「資料の追加機能」「発表者のロック機能」を追加し、iOS 5にも対応した。
サムネイル表示機能は、ページ数が多い資料などの場合に一覧表示させ、目的のスライドに容易に移動できる機能だ。資料の追加機能は、会議の開催中でも合計30Mバイトまでの範囲であれば、資料の数に制限なく自由に追加できるようになった。
自由なディスカッションを目的とし、スライドをめくる主導権を持つ「発表者」をボタン1つで切り替えられるが、新たに会議開催者のみに固定するロック機能を追加した。これは意図しない発表権の移動を防止するためのもの。初めて触った人などが目新しさから発表者ボタンを押してしまうことがあるという。
RICOH TAMAGO Presenterは、スピード感を重視するため、まずは“ビジネスのたまご”として形をつくり商品化への道を探る同社の「TAMAGOタスクフォース」の第1弾として生まれたアプリケーションだ。
5月に初めてRICOH TAMAGO Presenterをリリースした後、さまざまな問い合わせやフィードバックが寄せられたという。
「リリースしてからフィードバックをもらいながら直していく。こういう開発もあるのかなという気がしている」とリコー グローバルマーケティング本部 Business Development Center クラウド開発室 TAMAGO-TF リーダーの國枝孝之氏は語る。
「ソフトウェアの質にもよる」と前置きしつつ、時間を要するリコー基準の品質評価を待たずにスタートするケースがあってもよいと感じているという。
RICOH TAMAGO Presenterは利用する企業の規模や使い方もさまざまだ。学会などで50人、100人規模で使いたいといった要望やセキュリティ上の要望などもあり、このRICOH TAMAGO Presenterをベースにした事業化への道筋が見えてきたという。
今後について「無償版をなくすのではなく、今後も無償で出していきたい」という。無償版は継続しつつ、Android版など複数のプラットフォームへの対応、遠隔地と使いたい場合や規模が大きい場合など「サーバやパフォーマンスが必要な場合に費用を別途いただくことを検討する」(國枝氏)としている。
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