リコーは11月24日、紙に描いたクルマの絵をデジタルデータとして取り込み、複数人でレースゲームが楽しめるアプリケーションソフト「紙レーサー」のテストマーケティングを開始すると発表した。
紙レーサーは、主にスキャナと本体で構成されている。本体にはディスプレイも付いているが、主にイベントなどの場でプロジェクタや大型テレビなどに映し出して利用することを想定している。
まずは専用の用紙にカラフルなペンでクルマの絵を描き、スキャンするとデジタル化されてゲームができるしくみだ。ポイントは、スキャン時に描かれた絵の形や色、塗り方などによって速度や加速力、グリップ力といったゲームのキーとなるクルマの性能が決まる点だ。リコーがオフィス分野で培ってきた画像処理技術や画像解析技術などを用いており、絵の特長から性能を決める独自のアルゴリズムを採用しているという。
リコー 統合経営企画室 新規事業開発センター 企画推進室 スペシャリストの伊藤篤氏は紙レーサーについて、「世の中のゲームはデジタルになってきて、アナログ感覚がなくなってきている。子どもたちに絵を描く楽しみを味わってほしい。通常のゲームはゲームの操作が得意な子が勝ってしまう。負けたときに色を変えてみよう、タイヤを大きくしてみようなど工夫してトライしてもらえたら、子どもたちの創造性を育むことに貢献できるのではないか」と話す。
紙レーサーはこれまでリコーの社会貢献の一環として、小学校や地域振興イベント、震災復興などの場で提供してきたという。人気がありリピート率が上がってきたことから、テストマーケティングとして、ビジネスの可能性を探ることにしたという。
12月3日よりレンタルを開始し、レンタル期間15日間の「基本パック」は12万6000円。専用機とアプリケーション、ミニスピーカが含まれ、別途専用紙とカラーペン(有償)が必要になる。なお、今回貸し出す製品は同社のコピー機をベースにした製品で、今回の写真とは異なるという。
紙レーサーは12月3日~12月11日(一般公開)に開催される東京モーターショーに出展する。自動車ディーラーや各種イベント会場を対象に紙レーサーを広げていくとともに、子ども連れの来場者に楽しんでもらいたいとしている。なお、描いた絵はウェブサイトから閲覧できる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」