Hewlett-Packard(HP)はオープンソース化によって「webOS」を蘇生させようと考えているのかもしれないが、実際のところ、同OSの生命維持装置は遠い昔にコンセントから外されている。
HPはオープンソース化がwebOSにとって最善の道だと述べたが、それはあまりにも小規模で、あまりにも遅い対策だった。同社はwebOSが自然と軌道に乗ることに賭けている。
良くない賭けだ。過去のオープンソースプラットフォームの中には成功したものもあれば、失敗したものもある。webOSに少しでも関心があった人は、消費者であれ開発者であれ、HPからPalmまで、同プラットフォームの管理を誤った企業に悩まされてきた。何度も痛い目にあった後で、再びwebOSに目を向ける理由などあるだろうか。
Lopez ResearchのアナリストであるMaribel Lopez氏は、「それが最終的に良い結果をもたらすとは思えない」と述べる。
確かにwebOSは今後もHPの一部であり続けるが、その存在は同社の中ではるかに小さくなるだろう。HPが今後webOSにリソースを割り当てるとしても、その規模は大幅に縮小すると思われる。それは、消費者と開発者の関心がないというwebOSの根本的な問題を解決するものではない。HPがwebOSを適切にサポートすることに十分な関心を持っていないのだとしたら、ほかの人が関心を寄せることなどあるだろうか。
HPがwebOSの売却ではなくオープンソース化に動いているということは、同プラットフォームに需要がないことを示している。
「HPはwebOSに商業的価値がないことをはっきりと証明してしまった」(Lopez氏)
一方、HPの立場としてはどうかというと、同社の先進技術部門の最高技術責任者(CTO)であるSam Greenblatt氏は、同社がwebOSを売却できなかったということを否定している。
同氏は米CNETに対し、「これは広範な市場に訴求するためであって、売却できないからではない」と述べた。
HPの最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏はThe Vergeに対し、HPは今後も同社製品にwebOSを使用する予定だと述べたが、詳細については多くを語らなかった。またWhitman氏は、2012年に同ソフトウェアを使うことを確約しなかった。つまり、webOS搭載のHP製品が登場するとしても、2013年以降になる可能性もあるということだ。最新の「TouchPad」は完全な失敗に終わっているが、同氏は別のwebOS搭載タブレットを発売する可能性も完全には否定しなかった。
Recon AnalyticsのアナリストであるRoger Entner氏は、HPの決定をもっと直接的に表現している。
「もう関心がないと遠回しに言っている」(Entner氏)
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