あなどれない卵型ドックスピーカ「Olasonic」の実力--試聴してわかった驚異の音

堀江大輔(D☆FUNK)2011年11月12日 07時00分

卵型フォルム「Olasonic」を試す

 「iPhone/iPod」のドックスピーカ選びは結構難しい。部屋に置く以上、デザインはとても重要。かといって音がペラペラに薄いとゆっくり聞く気ならないから、ない方がましなくらい。いざ、ドックスピーカを買おうと販売店に行ってはみたものの、あまりに種類が豊富でどれを買ったらいいかわからなくなる。

  • スピーカの形状として理想的な卵型のデザイン

 今回はそんなドックスピーカの中でも音質で評価の高い東和電子の「Olasonic(オラソニック)」の「TW-D7IP」を試してみた。オラソニックシリーズの代名詞とも言える、卵型のフォルムをしたスピーカだ。この卵型、デザインとして見栄えがいいというだけでなく、音響的にも理想的な形なのだ。

  • ユニットの前にはデフューザーを配置して音の反射を制御する

 よく言われることだが卵の形状はとても頑丈で、スピーカの箱自体が鳴ってしまう箱鳴りという現象が発生しにくい。また箱形のスピーカは、箱の平行面で音が反射し、ある周波数帯の音を打ち消したり、強めたりしてしまう定在波が発生する。栃木県日光市の本地堂の天井にある「鳴竜」などもこの定在波によるものだ。卵型スピーカだと平行面が存在しないので、原理的には定在波が発生しない。

 この定在波を抑えるため通常の箱形スピーカでは、吸音材を入れている。でも、卵型になれば、それも不要。箱の容積を大きく使えるのだから豊かな低音を得やすい。

 さらに卵型では、スピーカの前面のバッフル(板)で反射する音も少なくなるので、ユニットの音だけを純粋に聞けるようになる。そのため一カ所から音が鳴る(点音源)ので、必要のない音に邪魔されることなく楽器の位置やボーカルの位置など、音像が明確に再現できる――などなど、卵型ならではの利点は色々とあるのだ。

 とはいえ108mm×108mm×141mmのコンパクトなスピーカサイズではどうしても低域が不足する。そのため、卵型スピーカの裏には、磁気回路を持たないコーン紙だけのスピーカ「パッシブラジエータ」を配置。こちらでさらに豊かな低域を再生する。非常に論理的な設計なので、音にも期待が持てる。

 卵型のため机の上においた時、転がってしまうという心配があるが、「コロンブスのように卵を割ればいい!」というのは冗談で、専用のインシュレーターが付属される。シリコンゴム製で机など底面の振動を遮断できる。角度も自由に調節できるので、音場を整えるにも最適だ。

  • 背面に低域の量感を増やすパッシブラジエータがある

  • シリコン製のインシュレータが付属

  • インシュレータでスピーカの角度調整も自在にできる

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