カシオ計算機は11月10日、デジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)」シリーズの最上位モデルとして「EX-ZR200」を11月18日より発売すると発表した。カラーはホワイト、ブラック、レッド、ブルーの4色で、市場想定価格は4万5000円。
独自のハイスピード技術を駆使し、0.98秒の高速起動や0.13秒の高速オートフォーカス、最短0.27秒の撮影間隔を実現。次々にシャッターを押して気持ちよく撮影できるコンパクトデジタルカメラに仕上げたという。HDRなどの複雑な画像処理を施す撮影モード時でも、快適に連続撮影が楽しめるとしている。
広角24mm、光学12.5倍のズームレンズを搭載。1cmのマクロ撮影に加えて、最大25倍まで画質劣化を抑えたままズームできる「プレミアムズーム」と、最大14mm(35mm換算)の迫力ある超広角撮影が楽しめる「ワイドショット」により、幅広い撮影シーンに対応した。ワイドショットはパノラマ撮影のようにカメラを動かしながら高速連写した画像を合成することで、超広角撮影が行える。広角14mm相当または18mm相当の撮影モードがある。
また今回の目玉となるのが次世代のオート撮影機能「プレミアムオートPRO」だ。撮影環境に応じて自動的に高速連写合成を行うことにより、逆光や夜景、ズーム撮影時などの難しいシーンでの画質が大幅に向上した。さらに、背景をぼかして被写体を際立たせる背景ぼかし撮影や自分の意図した通りに写真撮影を楽しめるマニュアル撮影機能などを備えている。
デジタルカメラ市場は、2007年度の1110万台(国内総出荷量)をピークに台数はやや減少傾向にあり、2010年度はミラーレス一眼の牽引により1036万台に回復したものの2011年度は再び落ち込み、900万台になる見通し(カシオ予測)。台数以上に大きく落ち込んでいるのは平均単価だ。2007年度は2778億円だった国内出荷金額が2010年度は1892億円となっており、要因はコンパクトカメラの低価格化という。
カシオは、デジタル一眼が欲しい理由などを調査。コンパクトデジタルカメラでは難しいとされる夜景や逆光などの難しい写真やボケ味を生かす本格的な写真を撮りたいという欲求にあったという。一方で、ミラーレスユーザーはマクロに弱い、ズームが弱い、手ぶれ補正が利きにくいという不満点も抱えているとした。
カシオはそれらの欲求と不満点に着目し、「逆にそこに強いものを作れば喜んでもらえるのではないか。デジタル技術は光学性能にはかなわないといわれていたが、デジタル技術は進化している。逆に光学性能をカバーしさらに上に行ける。デジタル一眼ユーザーをコンパクトカメラに引き戻したい」と意気込みを見せる。
カシオは、一眼レフやミラーレスのいずれも手がけていない。デジタル技術によって光学性能を超えるものをつくり、価格競争とは一線を画した独自の商品戦略で戦っていく考えだ。
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