2010年4月、Steve Jobs氏は、AdobeのFlashをさんざんに批判した1700ワードほどの公開書簡を書き上げた。そのなかで最も厳しいコメントは、モバイル版Flashについてだった。
言い換えると、Adobeは、スマートフォンユーザー(少なくとも、Flashが持つ特異性のためにページが正しく表示されなければ、無駄なことをしたと思う人たち)の要求に応えられない不十分な製品を提供していたことになる。この公開書簡は、Appleの決定を正当化するために書かれており、その決定とは、「iPhone」「iPod」「iPad」で動作させようとFlashを使って作成したアプリは許可されないというものだった。
Adobeは当然のように、大きく驚くとともにPR攻勢で応戦した。同社はAppleを悪役に仕立て、業界における政治的駆け引き、そして、オープンアクセスの問題と位置付けた。
Adobeの最高技術責任者(CTO)Kevin Lynch氏は当時、「われわれは、Appleが自らのユーザーのために許可さえしてくれれば、デバイス上のブラウザでFlashを利用できるようにする用意がある。しかし、その実現のためにAppleから協力を求められたことは現時点ではない」と投稿で述べている。さらに、「Flashに対するニーズを最終的には奪うもの」としてHTMLを提案した人たちは間違っていると付け加えた。「あるものが別のものが置き換えられるようになるとは考えていない。それは、今でもそうだし、近い将来においてもそうだ」(Lynch氏)
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