アドビのモバイル「Flash」開発中止とS・ジョブズ氏--2010年の公開書簡を振り返る

Charles Cooper (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2011年11月10日 14時45分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2010年4月、Steve Jobs氏は、AdobeのFlashをさんざんに批判した1700ワードほどの公開書簡を書き上げた。そのなかで最も厳しいコメントは、モバイル版Flashについてだった。

  • さらにFlashは、モバイルデバイスでの性能が高くない。われわれはAdobeに対し、モバイルデバイス、それも、あらゆるモバイルデバイスにおいて高性能なFlashを見せて欲しいと定期的に頼んできており、それは数年間におよんでいる。そのようなものを目にするにいたっていない。
  • Adobeは、Flashがスマートフォン向けに出荷されるのは、2009年初頭だと公言していた。それが2009年後半となり、その後に2010年前半となり、今では2010年後半だと言っている。いつかは出荷されると思っているが、期待して待っていなくて良かったと思っている。

 言い換えると、Adobeは、スマートフォンユーザー(少なくとも、Flashが持つ特異性のためにページが正しく表示されなければ、無駄なことをしたと思う人たち)の要求に応えられない不十分な製品を提供していたことになる。この公開書簡は、Appleの決定を正当化するために書かれており、その決定とは、「iPhone」「iPod」「iPad」で動作させようとFlashを使って作成したアプリは許可されないというものだった。

 Adobeは当然のように、大きく驚くとともにPR攻勢で応戦した。同社はAppleを悪役に仕立て、業界における政治的駆け引き、そして、オープンアクセスの問題と位置付けた。

 Adobeの最高技術責任者(CTO)Kevin Lynch氏は当時、「われわれは、Appleが自らのユーザーのために許可さえしてくれれば、デバイス上のブラウザでFlashを利用できるようにする用意がある。しかし、その実現のためにAppleから協力を求められたことは現時点ではない」と投稿で述べている。さらに、「Flashに対するニーズを最終的には奪うもの」としてHTMLを提案した人たちは間違っていると付け加えた。「あるものが別のものが置き換えられるようになるとは考えていない。それは、今でもそうだし、近い将来においてもそうだ」(Lynch氏)

Adobeは2010年5月13日、San Francisco Chronicleのビジネス面に全面広告を掲載した
Adobeは2010年5月13日、San Francisco Chronicleのビジネス面に全面広告を掲載した
提供:Justin Sullivan/Getty Images
  • このエントリーをはてなブックマークに追加