ではDV800をさっそく使ってみよう。電池カバーをはずすと上部には2つの大型スピーカーが配置されている。これは音楽ケータイとして使っても結構よさそうだ。電池は1800mAの大容量で、重量もそこそもあるのでこれはテキトーな数字じゃなく本当にこれくらいの容量がありそうだ。またSIMカードは当然ながらのデュアル仕様。SIMカードスロット周りはすっきりとした仕上がりになっており、左に見える動物の掘り込みはどっかの自動車会社にそっくりなのが困ったもんだ。
電源を入れると、画面にはブラックの背景にブルーの文字で「DV mobile phone」となかなかかっこいい表示がされる。上の「HT」という文字はもしかするとメーカー名なのかもしれない。これだけ高機能っぽいDV800も、付属のマニュアルにはカメラ機能の説明が一切ないのでどんなことができるかは想像で使っていくしかない。ま、結局はフツーのカメラ程度の機能しかなさそうなんだけどね。
電源が入ればあとは他のトンデモケータイと同じ待ち受け画面が表示される。ビビッドな果物の壁紙はDV800がやはりカメラ&ビデオケータイであることを大きくアピールしたいのだろうか。テキトーな壁紙が多いトンデモケータイの中にあって、このDV800にプリインストールされているいくつかの壁紙写真は美しい。このあたりはメーカーのセンスが感じられる部分だけに、DV800は結構がんばっていると思う。問題はそのメーカー名が不詳ってことなんだけど……。
またメニュー画面のアイコンはこれまた最近のトンデモケータイに多いiPhoneタイプ、というかクリソツなモノ。でもSettingのアイコンはOn/Offをモチーフにしていたり、QQのアイコンがあるなどそれなりに少しは努力しているようだ。ま、アイコンのデザインはこのDV800のウリのポイントとはあまり関係ないので軽くスルーしておこう。
それではDV800の最大の機能である、ビデオカメラスタイルの写真とムービー撮影を楽しんでみよう。ディスプレイ部分を手で持ち上げると、本体の右側に向かって90度開きこれがビューファインダとなる。ボタンワンタッチで開くと使いやすいのだろうけど残念ながら手動開閉だ。まぁボタンにするとかえって故障などが心配だから原始的な方法の方が安心かもしれない。
ディスプレイ部分を開けば、あとは側面の下側のボタンを押せば静止画のカメラが、上側のボタンを押せばビデオカメラが起動する。起動中はどちらのボタンを押してもシャッターとして動作するので撮り逃しの心配もない。このあたりはよく考えているなーと関心できるところである。また設定などはディスプレイのタッチ操作で行えるが、スタイラスペンが付属しないので指先ではやや使いにくいのがちょっと残念だ。
そしてカメラの画質は1600x1200ピクセル、8メガはないけど2メガありました!トンデモケータイのカメラ画質はパッケージやカタログは信用できず実際に本体を起動してカメラの設定から見るしかないのだが、ここまでビデオカメラを意識したDV800が実はVGA画質のカメラしか搭載していなかったらどうしよう、とちょっと心配だったのだ。カメラの反応はちょっと遅めではあるものの、この画質でこのスタイルで撮影できるのならば毎日使うのもいいかもしれないぞ。
さてこのままのスタイルでも撮影したムービーを楽しむことができるが、やはり机の上においてみんなでワイワイと言いながら見たいものだ。ということでDV800を机の上に置いてみよう。そしてディスプレイを見やすい位置に調整しようと思いきや、このディスプレイって「開くか閉じるか」しかできないのね。つまり斜めのちょうどいい角度で固定できず、平面か直立かのどちらかしか選べないのだ。
では机の上においてそのまま見る、ってのもやっぱり見にくい。あれこれ悩んだ結果、ディスプレイを開いたまま手に持って見るのがいいようなのだが、単純にディスプレイが45度の位置でも固定できるようにしてくれるだけで使い勝手は大きく上がるのになぁー。自分で改造しようと思い、ディスプレイの裏側にちょっと細工などをしてみたけど、そんなに難しいことはなさそう。メーカーの開発者が「撮影する」ことだけに注力してしまい、「再生する」ところまでには気が回らなかった、ってことなんだろう。
写真などを撮影しやすいこのスタイルも、他のメーカーから類似製品が出てこないってことは所詮スキマ製品だったのかもしれない。ならばいっそ、カメラメーカーがこのスタイルの「カメラ&ケータイ」で市場に参入してくるのはいかがだろうか?撮影した写真はもはやネットで共有があたりまえ、通信機能を搭載するだけではなくケータイとしても使いやすいデジカメやビデオカメラってのがあっても面白いと思うんだけどなぁ。
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