新しいチップセットは、iPhone 4S最大の売りだ(iPhone 3GS同様、iPhone 4Sの「S」は「スピード」から取られている)。iPhone 4SにはAppleのA5デュアルコア1GHzプロセッサと、デュアルコアGPUが搭載されている。Appleによれば、この新しいチップセットは、iPhone 4に比べ2倍高速で、グラフィック性能は7倍高速だという。
実際、はっきりと分かるほどの改善がある。どのアプリも素早く開くし(3秒高速になった場合もあった)、マルチタスキング機能を使ったアプリの切り替えもスムーズだ。
性能の向上は確かに歓迎できるが、これは期待されているということ自体をわたしが知らなかった改善点でもある。iPhone 4を特に遅いと感じたことはないが、Appleがこの体験をより高速なものにしたいというのなら、拒む理由はない。もしそれがバッテリー寿命を犠牲にせずに可能なら、なおいい。
より強力なプロセッサを搭載したにも関わらず、Appleの主張では、通話は3Gで8時間、インターネット利用は3Gで6時間、Wi-Fiで9時間、動画再生は10時間、音楽再生は40時間可能だという。
バッテリー使用可能時間の予想値は素晴らしいものだが、Appleはこれらは予想値でしかないとしている。SamsungのTouch 4GとMotorolaのDroid Bionicの通話可能時間はそれぞれ8.7時間と10.8時間とされているが、CNET Labsのテストでは、Touch 4Gはやや少ない7時間、Droid Bionicは7.55時間しか持たなかった。
Androidファンの言い分は正しい。iPhone 4Sに追加された機能は、競合するスマートフォンが何カ月も前に導入したものだ。しかし、その議論はポイントを外している。iPhone 4Sはすべてを備えているわけではないが、Appleのユーザー体験重視の考え方は、他に並ぶものがない。その姿勢は、規制され、できることが縛られているデバイスを持つことに対するトレードオフとして十分だと考える人もいれば、もっと自由があった方がよいと考える人もいる。Appleの哲学が正しいとは限らないが、その哲学が合っている人もいる。そういう人は、iPhone 4Sに失望することはないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
開発経験ゼロからのローコード開発で
医療ニーズに応えた病院向けシステムを構築