Appleの2011年会計年度最後の四半期決算は、好調ながらウォール街の予測を下回った。
Appleが米国時間10月18日に発表した第4四半期決算(9月24日締め)において、売上高は282億7000万ドル、利益は66億2000万ドルで1株あたり7.02ドルとなり、前年同期の売上高203億4000万ドル、1株あたり利益4.64ドルよりも増加した。
今回の業績は、Thompson Financialが調査したアナリストらの平均予測よりも1株あたり27セント低く、この数四半期間において予測を上回り続けていたAppleにしては珍しく予測を下回った。ただし、自社の予測である売上高250億ドル、1株あたり利益5.50ドルを上回る結果を残している。
同社の売上高総利益率は40.3%で、前年同期よりも3.4%増加した。
Appleは、次の四半期決算の予測として、売上高を370万ドル、1株あたり利益をアナリストらの予測よりも32セント高い9.30ドルとした。2011年9月に開始した同四半期は、13週ではなく14週間あることを同社は指摘した。
Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は声明で、「2011年会計年度を非常に素晴らしい形で終えたことを大変うれしく思っている。年間売上高は1080億ドル、利益は260億ドルと、ともに増加した」と述べた。
総販売台数において第4四半期決算を牽引したのはまたしても「iPhone」であり、同端末は現在、130カ国で合計230社のキャリアから提供されている。Appleは、同四半期に1707万台の端末を販売したと述べた。前年同期よりは21%増加しているが、iPhoneを2034万台売り上げた前四半期よりは減少している。同社が新モデルをリリースすると予測して顧客が購入を控えた可能性があるため、この減少には留意すべき点がある。新モデルのiPhone 4Sは10月14日に発売された。Appleの最高財務責任者(CFO)を務めるPeter Oppenheimer氏も決算発表の電話会見において、うわさによってiPhone 4Sリリース前に販売の停滞が生じたことを示唆している。
Cook氏は、「iPhone 4Sのとき以上の好スタートは、夢でも切れないだろう」と述べる。「わずか3日間で400万台を販売した。このようなスタートが切れて非常に嬉しく思う。供給量の多さに自信はあるが、需要と供給のバランスがいつ取れるかについて予測をしたいとは思わない。なぜなら、現在、需要が明らかに非常に高いからだ。iPhoneの過去最高記録を今四半期に達成するだろうと自信がある」(Cook氏)
第4四半期の「iPad」販売台数は、前年同期比166%増の1112万台となり、四半期販売台数として過去最高を記録した。iPadは、Appleの同四半期売上高のうちの69億ドルを占め、前年同期の28億ドルからは146%増加した。
Cook氏は「これ(タブレット)を始めた頃から、大きな市場になると考えていた」と電話会見で述べた。「そして、思っていた以上に大きなものになってきており、累計ベースで4000万台(のiPad)を販売している。予測を正しく立てていればタブレット市場が(中略)PC市場より大きくなることは、わたしには明らかだ。もっともこれは、ガイダンス的な数字ではなく、わたしが強く信じていることである。タブレットにアクセス可能な人は非常に多くなるだろう。その使いやすさは、驚くに値するほどとてつもない。これはAppleにとってこれまでになく大きな機会だと信じている」(Cook氏)
第4四半期における別の明るい材料としては、「Mac」の販売台数が489万台に達し、多くのアナリストによる予測を上回ったことがある。ウォール街は、Macの販売台数に特に関心を寄せていた。前四半期に、前年同期比14%増であったものの予測を下回ったためである。Appleは第4四半期、「MacBook Air」と「Mac mini」のアップデートモデルとともにMac OS Xの新バージョンをリリースし、600万本以上を販売した。
Appleの音楽プレーヤー「iPod」の販売台数は引き続き減少しており、前年同期比27%減の662万台だったが、同社の予測は上回った。同製品は23日、発売10周年を迎える。AppleはiPodを中心とする恒例のイベントを2011年は開催せず、その代わりにiPhone 4Sを発表した。同社はそのイベントで、「iPod touch」のホワイトモデル、そして、iPod touchおよび「iPod nano」製品ラインに対する価格引き下げを発表した。しかし、ハードウェアに対する新たな変更は何も加えなかった。
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