Appleの共同創業者であるSteve Wozniak氏が米国時間10月14日、TechCrunchとのインタビューで自身の思いを明らかにした。胸中にはさまざまな感情があり、その1つが不安だという。
カリフォルニア州ロスガトスで「iPhone 4S」を購入するために列に並んでいる最中にインタビューに応じたWozniak氏は、当然のことながらSteve Jobs氏の死去について悲しみを表明した。だがWozniak氏はさらに続けて、Jobs氏のいないAppleは、テクノロジ業界の物の言い方を乗り越えて消費者のニーズに直接応える能力を簡単に失ってしまうおそれがあると語った。
「私は一抹の不安を感じる」とWozniak氏は言う。「それには1人の人間、ほぼ1人の人間が、1つの考え方で統率する必要がある」
Wozniak氏はAppleがソニーと同じ道を歩まないことを期待すると語った。かつてソニーの製品はシンプルで美しく、崇拝の対象で誰もが欲しがるものだったが、「彼らはその定式を見失った」と同氏は言う。
Wozniak氏によれば、Appleについての不安が強まったのは、iPhone 4Sのプレゼンテーションでステージに上がった人物がデュアルコアプロセッサについて(2度)触れたときだという。「Steveなら、われわれにデュアルコアプロセッサのことを考えさせたいとは思わない。われわれが知る必要のあることは、期待がどんなふうにかなえられるのか、自分たちがどんなふうにインターネットにつながるのか、ということだけだ」とWozniak氏は語った。
さらに良くなかったのは、2つに分かれたアンテナに関する言及だ、とWozniak氏は言う。新しい「iPhone」の感度が良くなったという単純なメッセージが伝わっていない可能性があることを同氏は示唆した。
Wozniak氏は、技術者が重要だと考えることと生身の人間にとって大事なことは違うという考え方を強く持っている(また、そのことがよく分かっている)。これこそがAppleの中核であり、忘れられたのかもしれないと同氏がiPhone 4Sの発表で不安を抱いた事柄である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス