千葉県・幕張の幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2011」の会場に、電機大手の首脳が相次ぎ来場した。
パナソニック代表取締役社長の大坪文雄氏は、「ひとつひとつの商品ごとの機能を打ち出すのではなく、トータルでの提案が必要である。日本の一戸建て住宅では約100点の電気製品が使われており、今後はそれらをまとめたトータルでの提案が求められてくるだろう。省エネという点でも、東日本大震災の影響を受けたこともあり、日本の企業こそ、その実現を切実に捉えているといえる。円高の影響は大きいが、だからこそ日本での新たな技術開発に取り組んでいくことが必要。競争力を高めるために、中国や韓国のメーカーにはない新たなものを育てていく必要がある。今年のブース展示ではそうした点に力を注いでいる」と語る。
一方、シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏は、「太陽光発電によるソーラーエネルギーの展示に加え、すでに10年目を迎えた液晶テレビにおいては、これからの成長を担う新たな提案がCEATECにおける展示のポイントとなる。液晶テレビでは、ワイヤレスによるフリースタイルAQUOSがそのひとつだ。シャープでは3年前から地産地消戦略を推進しており、これが為替対策にもつながる。日本から製品を輸出するという点では、圧倒的なオンリーワン技術が必要になる。これまで以上に優れた製品が必要になるだろう」などと語った。
富士通代表取締役社長の山本正己氏は、「いかに社会インフラのなかにICTを融合するか、いかにテクノロジによるイノベーションを起こすか、そしてソーシャルネットワークの世界のなかで有効な手段はなにか、スマートシティに代表される豊かな社会をいかに実現するか、といった点に焦点をあてた展示としている。あわせて環境問題、エネルギー問題に向けた解決策を提示するといった展示にも力を注いだ」と説明。
インテル代表取締役社長の吉田和正氏は、「インテルブースでは、テクノロジの進化がどんな形で人の役に立つのかということを身近に感じてもらえる展示としている。また、PCの大きな進化を体感してもらうこともできるだろう。UltraBookの提案により、こんなに薄くなり、こんなに軽くなり、それでいて性能は高い、起動も速く、PCはいつの間にこんなに進化したのかということを実感してもらいたい。さらに、インテルが参画しているコンティニュア・ヘルス・アライアンスのブースでは、数多くのヘルスケアソリューションを展示しており、新たな健康管理の世界を体験してもらえる」などとした。
そのほか、ソニーでは代表執行役副社長の平井一夫氏や、ソニーマーケティング代表取締役の栗田伸樹氏などの幹部が来場。「家庭用4K×2Kプロジェクターは、開場直後から120分待ちという状況。高い関心が集まっている手応えを感じている」(栗田氏)などと語った。
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