グーグル、「AdWords」違法広告掲載問題で米司法省と和解--罰金は5億ドル

Jay Greene (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 編集部2011年08月25日 12時02分

 Googleは米国時間8月24日、注目を集めていた米司法省との係争で、米連邦法に違反してカナダの違法オンライン薬局の広告を掲載したことを認め、5億ドルの罰金を支払うことで和解した。

 司法省によれば、今回の罰金額は米国おいて過去最大級で、カナダの薬局がGoogleの「AdWords」プログラムを利用して掲載した広告によってGoogleにもたらされた粗利益、および該当のオンライン薬局が米国の消費者への販売によって手にした粗利益相当額からはじき出されたものだ。

 今回の件について司法次官のJames M. Cole氏は「自社の利益を追求するために連邦法を犯し、米国の消費者の健康と安全を危険にさらす企業に対し、司法省は今後ともその責任を追及していく。今回の和解によって、Googleはこうした薬局に関する不適切な広告掲載基準を改善するとともに、過去最大級の罰金を支払うことになる」と述べている。

 Googleは5月、司法省の調査に関連して発生する可能性のある支払いに備えて、2011年第1四半期決算に5億ドルの費用を計上していたことを明らかにしていた。Googleは今回の件に関して24日に初めてコメントを発表し、自社の行為に関して強い悔恨の意を表明するともに、薬局に対する広告の承認方法を変更することを明らかにした。

 「当社はかなり前に、カナダの薬局が米国で処方薬の広告を掲載することを禁止する措置をとった。だが振り返って考えれば、そもそもこのような広告を許可すべきでなかったことは明らかだ」と、Googleの広報担当者は電子メールの中で述べている。

 Googleは司法省との和解条件の中で、「カナダのオンライン薬局の広告主がAdWordsを利用して米国を対象とした広告を掲載することを不適切に支援した」ことを認めた。また、罰金に加え、「和解書に記載されている行為が将来発生することを防ぐため」に、コンプライアンス(法令順守)と報告に関して複数の方策を実施することに合意している。

 司法省の調査は、数百万ドル規模の詐欺を行ったとされる国際指名手配犯の追跡に端を発したものだ。司法省によれば、メキシコに逃亡したこの指名手配犯は、AdWordsを利用した違法な薬物の販売広告掲載にも手を染めていたという。メキシコの捜査当局がこの指名手配犯を逮捕して、米国のシークレットサービスに引き渡した際、この犯人は捜査に協力し、自らのAdWordsの利用方法について詳細を明らかにした。米国政府はこの捜査の過程で、AdWordsを利用して薬物の販売広告を掲載できる「おとり捜査用ウェブサイト」を作成していた。

 当局側は、Googleがカナダのインターネット薬局に対して米国消費者を対象としたAdWords広告の掲載を認めることで、連邦食品・医薬品・化粧品法および規制物質法に違反していないかを調査していた。司法省は、これらの広告が「規制および非規制の処方薬に関する米国への非合法な輸入」に結びついていると判断をした。さらに、同省は、規制および非規制の処方薬をカナダから米国へ出荷する薬局が違法であることを、Googleは「2003年には」認知していたと述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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