MicrosoftのWindows担当プレジデント、Steven Sinofsky氏が、新たに立ち上げた「Building Windows 8」というブログに導入となる記事を掲載し、ユーザーの関心をあおっている。米国時間8月17日付で掲載された記事で、Sinofsky氏は--3年前の「Windows 7」のときと同様に--次期Windowsを構築している機能開発チーム一覧を紹介している。
Sinofsky氏は、Microsoftは「Windows 8」組織の下で35の機能開発チームを持つと報告した。各チームは25人~40人の開発者、それにテスト担当、プログラムマネージャーで構成される。ここでいう「機能」とは、Windowsのコンポーネントや分野を意味する。以下がWindows 8機能チームの一覧だ。
- App Compatibility and Device Compatibility(アプリ互換性とデバイス互換性)
- App Store(アプリストア)
- Applications and Media Experience(アプリケーションとメディアエクスペリエンス)
- App Experience(アプリエクペリエンス)
- Core Experience Evolved(進化版コア・エクスペリエンス)
- Device Connectivity(デバイス接続)
- Devices & Networking Experience(デバイス&ネットワークエクスペリエンス)
- Ecosystem Fundamentals(エコシステム基盤)
- Engineer Desktop(デスクトップ開発)
- Engineering System(開発システム)
- Enterprise Networking(エンタープライズネットワーキング)
- Global Experience(グローバルエクスペリエンス)
- Graphics Platform(グラフィックプラットフォーム)
- Hardware Developer Experience(ハードウェア開発エクスペリエンス)
- Human Interaction Platform(ヒューマンインタラクションプラットフォーム)
- Hyper-V
- In Control of Your PC(ユーザーのPC管理)
- Kernel Platform(カーネルプラットフォーム)
- Licensing and Deployment(ライセンスと実装)
- Media Platform(メディアプラットフォーム)
- Networking Core(ネットワークコア)
- Performance(性能)
- Presentation and Composition(プレゼンテーションと構成)
- Reliability、Security、Privacy(信頼性、セキュリティ、プライバシー)
- Runtime Experience(ランタイムエクスペリエンス)
- Search、View、Command(検索、ビュー、コマンド)
- Security & Identity(セキュリティ&アイデンティティ)
- Storage & Files Systems(ストレージ&ファイルシステム)
- Sustained Engineering(持続的開発)
- Telemetry(テレメトリー)
- User-Centered Experience(ユーザー中心のエクスペリエンス)
- Windows Online
- Windows Update
- Wireless and Networking services(無線とネットワークサービス)
- XAML
では、この中の新しい情報はどれか?
まず、MicrosoftはこれまでWindows 8についての情報をほとんど明らかにしてこなかったので(スライドやビルドのリークなど、Windows 8の内容についてはこれまで多数のハッキングや憶測が飛び交ったのも確かだが)、Microsoftウォッチャーの多くがWindows 8について知っていると思われていることは、現在まで「公式な」同意を得ていなかった点を確認しておきたい。
Sinofsky氏のブログ記事により、Windows 8では「App Store」が登場することがわかった(2010年6月頃からわれわれが予想してきたものだ)。「Hyper-V」という記述により、Hyper-VがWindows 8のクライアントとサーバーの両バージョンに統合されることが確実になったといえるだろう。XAMLの--2011年初夏、XAMLの開発者がWindows部門に再編されている--統合により、「.NET」と「Silverlight」を得意とする開発者は、Windows 8の開発はHTML5とJavaScriptにとどまらないというかすかな望みを持てるだろう。
私の予想をいくつか挙げる:「In Control of Your PC」は、さまざまな可能性が考えられる。Windows 8が「Kinect」センサー技術を統合するという可能性だってゼロではなさそうだ。Microsoftが先に行った音声認識の「Tellme」のデモと、同機能をWindows 8でサポートするという発表を考慮すると、「Search、View、Command」でもKinectが関連してくる可能性がありそうだ。もっとも興味をそそるのは「Windows Online」だ。「Windows Update」とは別に設けられているのが気になった。
比較のために、以下がSinofsky氏が2008年8月にWindows 7についてブログで情報提供を開始した当初に明らかにしたWindows 7の機能開発チーム一覧だ。
- Applets and Gadgets(アプレットとガジェット)
- Assistance and Support Technologies(アシスタントとサポート技術)
- Core User Experience(コアユーザーエクスペリエンス)
- Customer Engineering and Telemetry(カスタマー開発とテレメトリー)
- Deployment and Component Platform(実装とコンポーネントプラットフォーム)
- Desktop Graphics(デスクトップグラフィックス)
- Devices and Media(デバイスとメディア)
- Devices and Storage(デバイスとストレージ)
- Documents and Printing(ドキュメントと印刷)
- Engineering System and Tools(開発システムとツール)
- File System(ファイルシステム)
- Find and Organize(検索と構成)
- Fundamentals(基盤)
- Internet Explorer(including IE 8 down-level)
- International(国際化)
- Kernel & VM(カーネルと仮想マシン)
- Media Center
- Networking - Core(ネットワーク-コア)
- Networking - Enterprise(ネットワーク-エンタープライズ)
- Networking - Wireless(ネットワーク-無線)
- Security(セキュリティ)
- User Interface Platform(ユーザーインターフェースプラットフォーム)
- Windows App Platform(Windowsアプリプラットフォーム)
Windows 8の追跡:Sinofsky氏の最新のブログ記事から得られる情報は、このほかに何があるだろうか?Twitter仲間のMartin Anderson氏が、「Media Center」がWindows 8のリストに入っていないと指摘している。これは、一部には驚きかもしれないが、一部には悲しい事実確認となりそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。