「Microsoft Build」カンファレンスがいよいよ9月に迫っており、「Windows 8」の中身に関する新しい情報が継続的に出てきている。最新情報は、ITworldのSandro Villinger氏による「MinWin」に関するものだ。
Windows 8のMilestone 2を調べたVillinger氏は、MinWinを参照するリファレンスが5000~6000件含まれていることを発見した。Villinger氏は8月3日付けの記事で、MinWinは、MicrosoftのWindows 8の仮想化計画で大きな役割を果たすことになるかもしれないと予想している。
忘れてしまった読者のために記しておくと、MinWinはWindowsの“中核”(カーネル、ハードウェア抽出レイヤ、TCP/IP、ファイルシステム、ドライバ、およびその他のコアシステムサービス)だ。Microsoftの代表者は、「Windows 7」には一部MinWin実装が入っていることを認めている。だが、どうやらMinWinはWindows 8の方が大きな役割を持ちそうだ。
MinWinにより、Microsoftは多数のサブシステムをWindowsのコアから切り離すことができる(「Internet Explorer」を含む)。残る土台のコアはNTカーネルとなる。ここで「Hyper-V」が活躍する、とVillinger氏は説明する。「Hyper-V 3.0」は、少なくともWindows 8の一部のエディションに組み込まれる可能性があるといわれている。クライアント側に統合されたHyper-VはWindows 7の「XP Mode」を置き換え、これまでよりもコンパクトで、かつ安全な仮想化Windowsインスタンス(MinWin)上でレガシーアプリを動かす方法になる、とVillinger氏は書いている。
2009年、Microsoft Franceのテクニカル/セキュリティディレクター、Bernard Ourghanlian氏は、このようなWindows 8のシナリオをすでに打ち出していた。以下が、Ourghanlian氏の説明だ。
「Windows 8でのMinWinの目標は、すべてが予定通りに運べば、(IEなどの)機能を完全に分離し、潜在的に存在しないものとすることだ。デスクトップ側にしてみれば『Windows Server Core』と同等のものを得られることになる。デスクトップ上のHyper-V 3の場合は、潜在的に攻撃の対象という点でも、メモリフットプリントとラックスペースディスクという点でも最小化される」
念のために付記しておくが、Microsoftの代表者はWindows 8クライアントにHyper-Vを統合する計画についても、Windows 8におけるMinWinについても明言しておらず、Windows 8でどのようにレガシーアプリが動くのかについても詳しく説明していない。これらはすべて、Buildカンファレンスで明らかになると思われる。Buildカンファレンスの入場券は売り切れだが、Buildの基調講演はリアルタイミングでストリーミング配信され、セッションの動画はその1日後にアクセスできるとMicrosoftの代表者は述べている。Buildはカリフォルニア州アナハイムで9月13日~16日に開催される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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