Appleは米国時間7月5日、サムスンを相手取って米国際貿易委員会(USITC)に新たな訴えを起こし、サムスンの主要な「Android」搭載スマートフォンとタブレットについて、米国への輸入禁止命令を出すよう求めた。
今回のAppleによるUSITCへの提訴を最初に報じたのはBloombergで、この係争で問題となっている特許については、Florian Mueller氏がブログ「FOSS Patents」内でまとめている。AppleはサムスンのAndroid製品群に対して、5件の技術に関する特許と2件の意匠特許を主張している。多くの点で、AppleのUSITCへの提訴は意外ではない。サムスンもAppleを相手取ってUSITCに訴えを起こしており、両社は世界中の法廷で決着をつけようと争いを継続中だ。
以前にも述べたように、この一連のAppleとサムスンの争いで最も奇妙な点は、両社が重要なパートナー関係にあることだ。Appleはサムスンからメモリや液晶画面、各種部品を調達している。サムスンはAppleと競合しているものの、Appleはサムスンの最大の顧客でもある。
USITCに提出された訴状では、サムスンに対するAppleの従来の主張が繰り返されているように見受けられる。その要点は次のとおりだ。
USITCに出された訴状の次の段落は、Appleの見方を簡潔にまとめている。
「Appleの革新性の多くが非常に人気を博し、広く認知されたため、その革新性はAppleの製品およびブランドと事実上同義語と化している。実際、Appleの製品は、例えばその動作方法やユーザーとのインターフェースによって簡単に見分けることができる(後略)」
「その結果、Appleの革新性と製品は、Appleの競合他社によって広く模倣の対象となっている。他社は、Appleの革新的な技術、特徴的なユーザーインターフェース、全体的な製品デザインを模倣することによって、Appleの成功に乗じようとしている」
Appleは続けて、「主な権利侵害者」の1社としてサムスンの名前を挙げている。
ここで注目すべきは、Appleがそのユーザー体験を訴えの中心に据えている点だ。仮にAndroidがシームレスなユーザー体験を実現できるまでに改善されたら、どうなるだろうか? Appleはその点について訴えることができるだろうか?
サムスンの「Galaxy Tab 10.1」がハードウェア的に多くの面でAppleとの差を縮めたことは明らかだ。違いは、Androidか改善されているとはいえ、完全にシームレスになってはいないことだ。Appleの狙いはサムスンの行く手を阻むことにある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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