KDDIは7月25日、2012年3月期第1四半期(4~6月期)の連結業績を発表した。営業収益(売上高)は前年同期比0.1%減の8649億6400万円、営業利益は同8.4%増の1400億9500万円、経常利益は同8.1%増の1324億4800万円、純利益は前年同期並の719億4500万円となった。
固定通信事業でのグループ会社の収益拡大により増収となったが、移動通信事業での音声ARPU(1契約あたりの月間平均収入)の減少による減収を補えず、売上高は微減となった。第1四半期のARPUは4640円となり、前年同期比で520円(10.1%)減少。内訳は、音声ARPUが620円の減少、データARPUは100円の増加だった。
利益面では、固定通信事業でネットワークのスリム化に取り組んだことで営業費用が減少し、営業利益と経常利益ともに増益となった。しかし、前期に投資有価証券売却益を特別利益に計上した一方、今期に東日本大震災による特別損失を計上したため、純利益は前年同期と比べてほぼ横ばいとなった。
au端末の解約率は0.66%と前年同期よりも0.09%改善、auとUQ WiMAXを合算した純増シェアについても2011年3月期第4四半期に比べて2.5%上昇した。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「全体的に業績面では順調。基盤事業の立て直しを今期の目標としていたが、その点についても着実に進捗しており、非常に満足する結果となった」と、第1四半期から順調な滑り出しであることを強調した。
スマホへのシフトを本格化
第1四半期は、フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトを加速させた。夏モデルとして「INFOBAR A01」や「G'zOne IS11CA」など、au独自のAndroidスマートフォンを6月下旬より順次発売している。
また、下半期からWiMAX搭載モデルを数機種発売する予定だ。田中氏は、その先駆けとして4月に発売されたWiMAX搭載スマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」の新規契約率が54%にのぼるというデータを紹介。テザリング機能を搭載するほか、ネットワークも3G/WiMAX/WiFiから自由に選択できる点を挙げ、「非常に高い差別化要素をもっている。下半期はさらに期待していただいていいのかなと思っている」と語る。
KDDI独自のアプリやサービスも積極的に展開している。Facebookとの連携をはじめ、定額モデルの音楽配信サービス「LISMO unlimited」を6月に開始した。さらに、アプリ開発者を支援するインキュベーションプログラム「KDDI∞Labo」が6月に始動している。
これらの取り組みの効果もあり、第1四半期のスマートフォンの販売台数は66万台となった。田中氏は「震災で一部の機種の発売時期が若干遅れたが、それでも春商戦の(2011年)4Qの販売台数を超えることができたのは大きな成果」と手応えを語り、2012年3月期の販売目標である400万台も実現可能である、との見方を示した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」