デジタル決済サービスを提供するPayPalの幹部によれば、決済サービス業界に参入しようとしている企業、特にモバイル決済サービスに焦点を合わせている企業は、PayPalが初期に経験したような思いもよらない問題に直面するだろうという。
PayPalのグローバルプロダクトおよびデザイン担当バイスプレジデントのSam Shrauger氏は米国時間7月27日、米CNETとのインタビューで、「決済サービス業界にいると言う以上に、決済サービス業界にいるのは難しい」と語った。
具体的な企業名は挙げなかったものの、同氏の警告がGoogleなどの企業に狙いを定めていることは明らかだ。Googleは最近「Google Wallet」機能を発表し、2011年夏の終わりころには、決済システムの提供を一部の都市で開始する予定だ。Shrauger氏は、決済サービスを行いたい企業は、顧客サービスに取り組む用意ができていなければならないし、同時に金融取引のリスクを引き受けなければならないと語る。
「これらの企業はそのような問題を解決したいと思っているだろうか」とShrauger氏は問う。
インターネットや、最近ではモバイルデバイス上のアプリケーションによる決済仲介業者として長い歴史を持つPayPalは、オンラインではない実世界に照準を合わせている。Shrauger氏は、同社は2011年末までにシステムの店舗での試験を計画しており、2012年末までに大手小売業者20社で採用されると明言した。広報担当のAnuj Nayar氏は、この決済システムはほかとは全く違ったものになると述べている。
決済サービスをスタートさせて12年になるPayPalは、デジタルウォレットというアイデアや、さまざまなクレジットカードやギフトカード、ロイヤルティプログラムを、コンピュータや携帯電話からアクセスできる1つの場所に保管するという概念について、当然ながら追われる立場にある。Googleや、携帯電話事業者、さらに携帯電話メーカーは最近になってやっと、ライバルとなる独自のモバイル決済システムを構築する試みを始めており、多くの注目やうわさを集めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス