急成長中のモバイル決済分野における自社の役割強化を図るPayPalは米国時間7月13日、2台の電話を互いにタップすることによって送金および支払いをする機能を披露した。
PayPalのモバイル事業担当シニアディレクターを務めるLaura Chambers氏は、サンフランシスコで開催されたMobileBeatカンファレンスにおいて、2台のスマートフォン「Nexus S」を互いに合わせて、「tap-and-pay(タップによる送金)」の動作をデモした(下の動画を参照)。電話には、近距離通信(NFC)チップが搭載されている。NFCチップは情報の素早い伝送が可能で、この場合は送金する金額に関するデータを送信する。送金は、特殊なPayPalウィジェットを介して行われる。
今回のデモは、PayPalがNFCの採用に乗り出したことを表している。NFCは、Google、Verifoneなどの決済システムメーカー、VisaやMasterCardなどのクレジットカード発行会社に採用され、注目が高まっている。ますます多くの企業がこの分野に参入しており、これは、PayPalのような決済機能提供会社が多数の企業との競争を強いられることを示している。
Googleも、Nexus Sを使用し、同社のモバイル決済機能「Google Wallet」のデモをしている。Bank of America、MasterCard、Research in Motion(RIM)は、NFCを利用する独自の決済システムをテスト中である。無線事業者らは共同事業を立ち上げ、2012年にNFC試行を開始する計画を進めている。
一方、PayPalは既に、Wi-Fiまたは携帯ネットワークを介して通信するアプリケーションか、モバイルブラウザまたはテキストメッセージによってモバイル決済を処理している。また、電話の背面に貼り付けるNFCステッカーを用いた実験も実施したが、このテストの地域は限定されていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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