この業界の企業の大半は、近距離無線通信(NFC)と呼ばれるテクノロジに焦点を当てている。これは、ドラッグストアで飲み物を買う時やタクシーに乗る時に、精算用リーダーにカードか携帯電話をかざせば簡単に支払いができるテクノロジだ。しかしPayPalは、多少異なるアプローチを取ろうとしている。
PayPalは、何か特定のテクノロジの使用を必須にするつもりはない。Shrauger氏は同社の計画について詳しく語らなかったものの、同社はさまざまなテクノロジや決済タイプを含めるつもりだと述べた。例えば、Googleの計画では、現在のところ米国で唯一のNFCチップ搭載スマートフォンである、Sprint Nextelの「Nexus S」を偶然持っているMasterCardユーザーしか考慮していない。
Shrauger氏は「1つのテクノロジに頼るのは、消費者にとっては良いことではない」と語り、状況に応じて、人々はさまざまな決済方法を利用することを指摘した。同氏はまた、業界やメディアによるNFCへの関心の集中を批判し、NFCは1つの決済方法にすぎないとした。
「ハンマーを持つ人には、すべてがくぎに見える。われわれは、違った見方をしている」(Shrauger氏)
しかし、PayPalはNFCテクノロジを避けようとしているわけではない。同社は、スマートフォンをタップすることで送金できる独自の機能のデモを、Nexus Sを使って行っている。
Shrauger氏は、簡単な決済機能だけでなく、消費者にそれ以上のサービスや価値を提供する機会やその必要性を盛んに語った。それは、Google幹部や、米国内の携帯事業者3社によるジョイントベンチャー、ISISの幹部が言っているのと同じような宣伝文句だ。彼らは、消費者に対して値下げや販促を行う機会を得ることで、小売店が得意先を引きつけられる点を話題にしている。
PayPalは、「Google Offers」や「Groupon」と同じように、毎日の値引きサービスを提供する決済システムの導入を検討するだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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