5月にMicrosoftの最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏がSkype買収を発表した直後、同氏とSkypeのCEOのTony Bates氏には、もう1つ遂行すべき仕事があった。
Bates氏は、Skypeのビデオチャット機能をFacebookのソーシャルネットワークに組み込むというFacebookの計画を発表する記者会見の席上、FacebookのMark Zuckerberg氏について次のように述べた。「発表を行った日、確かにわれわれはMarkに会いに行った。それはわれわれ、つまりSteveとわたしの両方にとって、最も重要な戦略的関係だった」
Googleがテクノロジ業界でこれまでになく力を強め、Microsoftの影響力が衰える中で、MicrosoftはFacebookとのつながりをますます強めつつある。米国時間7月6日に発表されたFacebookとSkypeの提携は、MicrosoftとFacebookが共通の敵であるGoogleと戦う上で、足並みをそろえていることのさらなる証拠だ。またこれは、MicrosoftがSkype買収に対する規制機関の承認を待つ中でも行われている。
Zuckerberg氏は、新しいビデオチャット機能を発表する記者会見で、「われわれはMicrosoftと実によい関係を築いており、Microsoftと協力して、さまざまな事業を数多く行っている」と述べた。これには広告事業も含まれており、MicrosoftはFacebookの検索広告すべてを提供している。同社は以前、ディスプレイ広告も提供していたが、Facebookは2010年にこの事業を引き継いでいる。
Microsoftは、「Internet Explorer」ののんびりとしたアップグレードから、検索の重要性の把握が遅れたことまで、インターネット分野で数多くの失敗を犯したと批判されている。しかし、Ballmer氏とその企業であるMicrosoftは、Facebookとの関係については正しく理解している。Microsoftは、2007年にFacebook株の1.6%を2億4000万ドルで購入し、同社との結びつきを強固にした。現在伝えられているFacebook株の査定額を信じるならば(オンラインの非公開株取引市場のSharesPostは現在、同社の含み益を824億ドルとしている)、この1.6%は13億ドルに相当する。
しかしもちろん、MicrosoftとFacebookの提携関係の本当の目的は、抜け目ない投資を行うことではない。Googleと戦うことだ。MicrosoftのFacebookとの契約や、さらにはSkypeの新しいビデオチャット機能の導入も、すべて正面からGoogleに狙いを定めている。そしてGoogleが市場力学を変えてMicrosoftの力を弱めたように(PCのデスクトップではなく、ウェブがコンピューティングの中心になるようにした)、FacebookもGoogleに対抗しようとしている。世界中に7億5000万人のユーザーがいるFacebookのサービスは、もう1つのインターネットと言うべき存在になりつつある。コンピュータユーザーはそこで非常に長い時間を過ごすが、Googleのサービスに触れることはない。
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