米CNETがプライバシーに関する懸念を指摘する記事を掲載した後、Googleは「iPhone」やノートPCなど、非常に多くのWi-Fi対応デバイスの位置情報公開に制限を加える措置を講じた。
カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くGoogleは「Android」電話機や「Street View」車両から収集した情報を基にデータベースを作成しており、そのデータベースを使えばWi-Fi対応デバイスの固有のハードウェアアドレスと位置情報を関連づけることが可能であった。しかし、同社はそのデータベースの公開方法をめぐって批判を受け、そのことが今回の動きにつながった。現在では、Googleの対応は位置情報データベースを決して公開しなかったAppleやMicrosoftが採用するやり方に近くなっているようだ。
Googleに近い情報筋によると、Googleの位置情報サーバが位置情報の要求を処理する方法にいくつかの変更が加えられたという。Googleの広報担当はコメントを控えた。
PCやiPhone、「iPad」、Android電話機などのWi-Fiに対応したデバイスは、半径およそ100~200フィート(約30~60m)にあるあらゆる機器にMACアドレスと呼ばれる固有のハードウェアIDを送信する。米CNETの6月15日付の記事が掲載されるまで、その固有のアドレスをキャプチャしたり、あるいはすでにそれを知っていたりした場合、Googleのサーバは自宅や職場の住所、さらには行きつけのレストランの住所など、そのデバイスの過去の位置情報を開示してしまう可能性があった。
Googleが行った変更によってプライバシー保護機能が強化されているかどうかは、すぐに確認することはできなかった。そこには、ある種の位置情報の要求や、特定地域からの位置情報の要求に応答しない機能も含まれている可能性がある。データベースはモバイルデバイスの位置決定の高速化や、GPSで得られる座標にアクセスできないPC向けの位置特定機能の提供に使われる。
米CNETはこの数日間に約3000件のMACアドレスをテストしたが、Googleのデータベースから位置情報を得られたものは1件もなかった。6月15日以前、Googleのデータベースは、それらのMACアドレスがアラバマ州サツマやロンドンのチャリングクロス駅近辺、バージニア州ニューポートニューズ、中国北京周辺など、さまざまな場所に出現することを示していた。
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