Googleは米国時間6月7日、安定版ブラウザチャネルをアップデートし、「Chrome 12」を同社の幅広いユーザーに向けてリリースした。Chrome 12安定版には、1カ月前にリリースされたベータ版と比べて驚くような変更点はないが、ハードウェアアクセラレーションのサポートやブラウジングのセキュリティがさらに改善されている。また今回から、オフラインでのウェブアプリツール「Google Gears」のサポートが終了となった。
セキュリティ面の改善は、Chrome 12で最大の変更点だ。Googleは14のセキュリティホールにパッチを適用(うち5つは優先度が高い修正)したほか、同社の「Safe Browsing」テクノロジを強化して、悪意のあるファイルからの保護機能を追加している。悪意のあるファイルのダウンロードがすべてブロックされるわけではないが、ダウンロードファイルがユーザーのハードドライブに保存される前の検証機能が強化された。Googleは、Chrome 12安定版リリースを発表したブログ記事で、プライバシー問題について慎重に言及し、この追加機能によって、ユーザーがファイルをどのサイトからダウンロードしたかという情報が記録されることはないと指摘した。
このほかのセキュリティ面の変更として、ユーザーが「Flash」のクッキーを削除できるようになる。FlashがChromeに組み込まれてからしばらくたっていることを考えれば、理にかなったことと言える。
ハードウェアアクセラレーションは今すぐ使える機能だが、すぐに効果があるものではない。特に動画などのコンテンツをブラウザで素早く表示するために利用される、強力なグラフィックカードを搭載したコンピュータを使う人が増えるにつれて、ウェブブラウジングに大きく影響するだろう。また、Chrome 12では3D CSSがサポートされている。「Windows Vista」以降または「Mac OS X 10.6」以降を使用しているユーザーは、Googleが提供する「Chrome Experiment」で、動画の回転表示や、サイズ変更、プレイリスト追加に3D CSSをどう利用できるかを見ることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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