PCを使っているときに「Android」アプリケーションを利用したいと思うことはないだろうか。BlueStacksという新興企業が、それを実現できるという。
BlueStacksは米国時間5月25日、「Windows」上でGoogleのAndroidを実行するための基盤となる仮想化技術のために、第1ラウンドの資金調達として760万ドルを、Ignition Ventures、Radar Partners、Helion Ventures、Redpoint Ventures、Andreessen Horowitzから獲得したと発表した。BlueStacksは関心を持つ企業への配布に関してCitrixと提携しているほか、まだ名前は明かされていないものの、消費者向けPCメーカーとも提携関係にある。
「アイデア自体は非常にシンプルなものだ」とBlueStacksの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のRosen Sharma氏は述べる。Sharma氏はかつてMcAfeeで最高技術責任者(CTO)を務めていた人物。そのアイデアが生まれたのは、別の共同創設者の6歳になる娘がスマートフォンでAndroidアプリケーションを使っていたときだった。「彼女はその後ネットブックを触り始め、ネットブックでも同じアプリケーションを使いたがった」とSharma氏は言う。しかし、当時それは不可能だった。
「消費者、企業を問わず、そうした機能を求めている人は非常に多い」(Sharma氏)
消費者は、ソーシャルなつながりや仕事上のつながりのための「LinkedIn」アプリや、最新の試合結果を見られるスポーツアプリ、ニュースを閲覧できる「Pulse」アプリのWindows版に興味を持つかもしれない、とSharma氏は述べる。そして、企業は自社の従業員向けに開発したモバイルアプリの使用範囲を拡大することに関心を抱いている。
Sharma氏は、同社内で「多くの人が自分のアプリケーションに取り組んでいる」と言う。「GM販売店のアプリはAndroidアプリだ。以前『BlackBerry』アプリを開発していた人々がAndroidアプリに移っている」(Sharma氏)
2008年に法人となったBlueStacksは、同社ソフトウェアの無料ベータ版を6月か7月にダウンロード提供する予定だ。第4四半期に出荷予定の正式版の価格はまだ設定されていない。PCメーカーとの提携は今週より発表していくという。
Sharma氏は、一度ソフトウェアをインストールしてしまえば、Androidアプリを簡単に実行できると話す。「ユーザー体験という点では、まさにアプリを使っているようなものだ」(Sharma氏)
米CNETのSeth Rosenblatt記者が、実際にBlueStacksを使ってWindows上でAndroidアプリケーションを使用してみたところ、そのプロセスはシームレスで容易だと感じたという。
BlueStacksはアプリの配信にAmazon.comのAndroid用マーケットプレイスを利用している。というのも、Googleは同社の「Android Market」を特定のARMベースのデバイスだけに開放しているからだ。
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