ユーザーインターフェースは厄介な問題の1つだ。スマートフォンアプリケーションはタッチスクリーンインターフェース向けに設計されており、中にはマルチタッチインターフェース向けのものもあるため、マウスとキーボードで操作するのが困難なこともある。だが、Sharma氏はそうした懸念を払いのけた。
「多くのタッチデバイスが登場している。2年後には、標準的なノートPCにタッチスクリーンが搭載されるようになるだろう」とSharma氏は語る。また同氏は、新しいノートPCに搭載されているトラックパッドは、ピンチやズームといったマルチタッチジェスチャーをサポートしている、と述べている。
「そうしたことを考慮すると、ゲームのように完全なタッチ操作やマルチタッチが必要なアプリは非常に少ない。かなりの数のアプリに対応できる」(Sharma氏)
ただし、注意すべき点もある。現在のAndroidは、スマートフォンやタブレットで使用されるさまざまなARMプロセッサ上で動作するが、Windowsマシンは(少なくとも現状では)Intel製かAdvanced Micro Devices(AMD)製のx86チップを使用している。そのため、BlueStacksはオープンソースのAndroidプロジェクトから生まれた同OSの独自ビルドを実行している。
プロセッサに関してもう1つ厄介なのは、一部のAndroidプログラム、例えば「Firefox」や「Opera」などのブラウザが「Native Developer Kit(NDK)」を使っていることだ。NDKは、AndroidのJava風のソフトウェア基盤ではなく、プロセッサ上で直接動作するソフトウェアを作成するソフトウェアメーカー向けに、Googleが提供している開発キットだ。現在、それらのプログラムをBlueStacks上で実行することはできない。
しかし、いずれ実行可能になるだろう。
「ほとんどのアプリケーションはクロスプラットフォームだ。しかし現状では、ネイティブのARMコードを使用するアプリケーションは動作しない。12月までにはそれらのアプリケーションも実行できるようにする予定だ」(Sharma氏)
最終的に、BlueStacksは逆の方向でも両OSのギャップを解消することを考えている。つまり、WindowsアプリケーションをAndroid上で実行できるようにするということだ。これはx86バージョンのAndroidでのみ可能だが、x86ベースのAndroidはまだ登場していない。
カリフォルニア州キャンベルに拠点を置くBlueStacksの従業員数は、現在わずか20人。その多くがコストの安いインドにいる。そのため、人件費によってすぐに資金が枯渇してしまうことはない。その代わりに、ベンチャーキャピタルの資金を使って、自社のソフトウェア基盤をできるだけ早く広める計画だ。
「問題は、いかに普及させるかということだ」とSharma氏は語る。コンピュータメーカーを通して2000万本、Citrixのソフトウェアチャネルを通して6000万本の流通を見込んでいるという。
「目標は、2012年末までに途方もない数を流通させることだ。そうなれば状況は一変する」(Sharma氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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