Mozillaは米国時間5月20日、「Firefox 5」のベータ版をリリースした。Mozillaは、ブラウザの新機能をユーザーやウェブ開発者にできるだけ早く提供するため、開発サイクルの短縮化を目指しており、今回のリリースはこの計画に基づいた最初のバージョンとなる。
Firefox 5ベータ版の新機能で目玉となるのは、CSSアニメーションをサポートしたことだ。これによりウェブ開発者は、ダイアログボックスのポップアップ表示や写真の切り替えといったアクションをより派手にすることができる。リリースノートとバグフィックスリストによると、新バージョンではほかにもCanvasやJavaScript、メモリ、ネットワークパフォーマンスなどが改善されている。
こうした改善は、新バージョンとして番号を上げるほどではないように思える。実際にその通りなのだが、MozillaではGoogleのブラウザ「Chrome」のように、リリースサイクルを早めて新バージョンを頻繁に出すものの、前バージョンとの違いはそれほど大きくないという手法を取り入れているのだ。つまり、バージョン番号が上がるからといって、大規模な改善が施されるわけではないということになる。
Mozillaは現在、Firefoxの主要バージョンを3つ抱えていることになる。メインストリームユーザーに向けたリリース版、新機能をテストするベータ版、そして、できたばかりの新機能を紹介する「Aurora」版だ。この3つのバージョンは、Chromeでは安定版、ベータ版、開発版に相当する。Firefoxには、24時間以内に登場したパッチをすぐに試したいという人のためにナイトリービルド版も用意されているが、このバージョンは不安定なことが多い。
リリースサイクルを早めるというMozillaの新手法では、スケジュール通りに進んでいる開発はすべて新バージョンとしてリリースできることになる。機能にフォーカスするというよりも、日程にフォーカスしてバージョンを上げるということだ。この手法の目指すところは、間に合わなかった機能に対するペナルティを減少させることにある。リリースサイクルを早めれば、現バージョンに間に合わなくても次のバージョンがすぐにやってくるためだ。
最新ベータ版ではほかにも、「About Firefox」というダイアログボックス内にある「Change」をクリックし、さまざまなバージョンのFirefoxに切り替えられる機能が備わっている。
さらに、Mozillaは20日、モバイルデバイス向け「Firefox 4」ベータ版の最新バージョンをリリースしている。同バージョンは追跡拒否(Do Not Track)技術をサポートしており、Mozillaでは個人の行動やデータを追跡されたくないユーザーのために、各ウェブサイトがこの機能を採用すべきだと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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