IDCの最新の「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」(世界携帯電話市場に関して四半期ごとに発表されるレポート)によると、Nokiaのシェアが縮小を続ける一方で、Appleは世界第1位のスマートフォンベンダーの座に近づいているという。
2011年第1四半期、「iPhone」のメーカーであるAppleはスマートフォンの出荷台数を前年同期の870万台から1870万台に増やし、記録的な四半期出荷台数を達成した。Appleの成長を牽引したのは、中国とVerizon版iPhoneの発売が開始された米国における3桁の伸びだった。事業拡大を続けるAppleは、世界市場でのiPhoneキャリアとして、新たにSouth Korean TelecomおよびSaudi Telecomの2社と契約した。
Nokiaは前年同期の2150万台を上回る2420万台のスマートフォンを出荷し、首位の座を維持した。しかし、Nokiaの市場シェアは縮小を続けており、現在販売された全てのスマートフォンに占める割合は24.3%である。2010年第1四半期には、この割合は38.8%だった。
Nokiaの「Symbian」スマートフォンの需要は、同社の中核的市場である欧州とアジア太平洋地域で依然として堅調だ。だが、Nokiaの「E6」や「X7」を含め、さらに多くのSymbianデバイスの発売が予定されているものの、同社がSymbianからMicrosoftの「Windows Phone」への移行を進めていることから、市場シェアはさらに縮小する可能性があるとIDCは見ている。
「BlackBerry」のメーカーであるResearch In Motion(RIM)も第1四半期に出荷台数を増やしたが、市場シェアは競合他社に奪われ14%に縮小した。RIMはさまざまな3G携帯電話の新製品を発表したが、未だに旧式で比較的コストの安い携帯電話を大量に出荷しており、こうした動きは次の四半期も継続する見通しだ、とIDCは述べた。
「Android」デバイスのメーカーであるサムスンとHTCは出荷台数と市場シェアを劇的に拡大させ、それぞれスマートフォンベンダー世界ランキングの4位と5位に入った。
特にサムスンのハイエンドの「GALAXY S」シリーズ、「GALAXY Ace」、および「GALAXY Mini」デバイスの需要は堅調だった。しかし、サムスンの「Windows Phone 7」デバイスや「bada」搭載「Wave」デバイスも市場での将来性に期待の持てる成長を示した。
全体的に見ると、世界スマートフォン市場は、第1四半期に79.7%急増した。原因としては、より種類が豊富となった低価格モデルと依然強い消費者需要が組み合わさったことがある。第1四半期における出荷台数は9960万台となり、前年同期の5540万台と比べてほぼ倍となった。また、この急激な成長からは、減速の兆候を見ることはできない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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