Belfiore氏が披露したWindows Phoneの新機能は、アプリケーションのマルチタスキングを可能にする、Mangoに組み込まれた新技術によって実現されるものだ。この技術により開発者は、端末上でアプリケーション表示に使われるタイルをよりうまく活用できる。Mangoでは、アプリケーションからWindows Phoneのカメラとモーションセンサライブラリへのアクセスも可能で、開発者は端末のハードウェア機能を取り入れたプログラムを作成できる。
Belfiore氏はまた、さらなる高速化を実現した新ブラウザ「Internet Explorer 9」が、3月のPC版リリースに続き、2011年秋にはWindows Phoneにも搭載されることも明らかにした。その速さを実証するため、Belfiore氏は速度テストを行い、Mango搭載端末を、「Android」OSを搭載したGoogleの「Nexus S」、および「iOS」を搭載したAppleの「iPhone 4」という2つの現行端末と比較した。
デモを始める際、Belfiore氏は「使える指は2本しかないので、iPhoneは一足先に起動させよう」とおどけてみせた。Microsoftが行ったデモであることを考えれば驚くことではないが、Mango搭載端末はこれらの競合製品より情報の取得が速かった。
Belfiore氏は、カスタマイズ可能な着信音や新たなバーコードスキャン用アプリケーションなど、他にもMangoの機能をいくつか披露した。後者はAmazon.comが提供するもので、取扱商品であれば、バーコードをスキャンすることですぐに同ストアにアクセスできる。イベントでは途中、Nokiaの開発者エクスペリエンス担当部門を率いるMarco Argenti氏が登壇し、短時間ながらBelfiore氏に加わった。Argenti氏は両社の新たなパートナーシップを強調したが、この提携によって生まれる携帯端末について、開発見通しに関する新たな情報を示さなかった。
Belfiore氏がステージから降りると、話題は開発者向けツールに移り、「Microsoft Silverlight 5 Beta」の即時ダウンロード提供開始が発表された。Silverlight 5では、開発者が自身のアプリケーションで高度なグラフィックスを作成できるツールが提供される。Microsoftは米海軍のアクロバット飛行隊「ブルーエンジェルス」のウェブサイトのプレビューを表示し、Silverlight 5の性能をアピールした。同サイトでは、コックピット内の高解像度(HD)の動画や、同部隊が保有するジェット機を詳細に確認できるアニメーショングラフィックスといったコンテンツが表示される。
最後に、Microsoftは今春の公開を予定している「Kinect for Windows」のソフトウェア開発キット(SDK)の詳細を明かした。「Kinect」は、Microsoftのゲーム機「Xbox 360」用に発売され、大人気となったモーションコントローラだ。すでに格好のハッキング対象となっているKinectだが、Microsoftでは同社が持つ大規模な開発者ネットワークにもKinectを活用してもらいたいと考えている。
デモでは、Microsoftが多少の遊び心を見せ、「Kinectで運転できるラウンジチェア」を披露した。「ドライバー」の手の動きに従い、いすはステージ上を走り回った。MicrosoftではSDKのリリース後に、このいすのソースコードを公開するほか、すべての部品を入手するための詳細も明らかにする予定だと述べた。また、Microsoft Researchによるプロジェクト「WorldWide Telescope」との連携で、手の動きを使って宇宙を探索するデモも行われ、両手を離すジェスチャーにより土星の衛星が拡大表示される様子が披露された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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