Kerris氏は米CNETとのインタビューで、「まずは一貫性のあるツールセット、充実した文書を備えた開発ツールを用意し、トレーニングを実施することから始める。正直に言えば、われわれはこれまで、必ずしもそうしてきたわけではない。ちょっとした問題がいくつかあった」と語っている。
Kerris氏は、新しい仕事とともに引き継いだ課題について、非常に謙虚な姿勢を取ってはいるが、「ちょっとした問題」というのは穏やか過ぎる表現かもしれない。PalmのwebOS、「Windows Phone 7」、Research in Motion(RIM)の「BlackBerry」は、開発者がiOSや「Android」向けのゲームやアプリケーションを制作していない期間に、多くの開発者の注目を集めようと争っている。IDCとAppceleratorが2200人以上のモバイル開発者を対象に実施した1月中旬の調査では、webOSスマートフォン向けの開発に「非常に関心がある」と答えた開発者はわずか13%、webOSタブレット向けのアプリケーション開発に「非常に関心がある」と答えた開発者は16%だった。
開発に「非常に関心がある」と答えた開発者の割合は、iOS向けアプリケーションについては92%、Android搭載スマートフォン向けが87%、BlackBerryスマートフォン向けでは38%、Windows Phone 7向けは36%という結果になり、webOSの結果はこれらをはるかに下回っている。Palmは開発者数を増やしている(米国時間2月9日のイベント直後に3000人が登録したという)が、その盛り上がりは、「iPad」のリリースはおろか、初の「Android 3.0」搭載タブレットである「MOTOROLA XOOM」の発表とも全く比べものにならない。
David Matiskella氏は、HPのwebOS向けストアだけでなく、「Android Marketplace」とAppleの「App Store」でもアプリケーションを販売している。Matiskella氏が不満に思っているのは、webOS登場時には「あらゆる携帯電話の中で最高のユーザーインターフェース」だと謳われていたのに、一度もその言葉通りになっていないことだ。同氏は「ハードウェアもうまくいっていない。登場したときにいくつか問題があった」と述べているが、もっと重要な点は「OSをアップデートしていないことだ」という。
HPほど資金とリソースが豊富な企業であっても、大きく巻き返しを図り信頼を取り戻さなければならない。HPはそのことを理解している。Kerris氏は「われわれは物事を現実的に考えている」と述べる。
「この先の道のりは長い」とKerris氏は述べ、「webOS 3」は2011年夏に「TouchPad」タブレットに搭載されて登場するとみられているが、「スタート時点で大量のアプリケーションが用意できているという考えは現実的ではないと思う」としている。webOS 3の新機能は、TouchPadのかなり広いスクリーンを生かしたものだ。具体的には、上部に数字列があって表示サイズを大、中、小から選べるバーチャルキーボードや、通知機能のためのドロップダウンメニュー、複数の電子メールを一度に選択できるマルチペインの電子メールビューア、ビデオ通話、動画を購入できる組み込み型のストアなどがある。
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