テキサス州オースティン発--Microsoftは、South by Southwest Interactive Festival(SXSW)で同社最新のブラウザ「Internet Explorer 9」(IE9)を正式公開した。同ブラウザの最初のプレビュー版が公開されてから1年しか経っていない。同イベントでは、The Huffington Postやfoursquare、Groupon、Pandoraといったローンチパートナーの関係者を招いてデモを行った。そのデモで示されたユーザー体験は、よく知られているウェブというよりも、むしろスマートフォンやタブレットのアプリケーションエコシステムに近いものとなっている。
IE部門のDean Hachamovitch氏は、昨今の最も革新的なウェブ開発がモバイルやタブレットのプラットフォームを対象としたものであることについて、「PC以外のあらゆるもののおかげでウェブが進化しているという状況に、われわれはもう慣れている」と述べた。Hachamovitch氏によると、14日に米国で公開されたIE9は、HTML5向けのさらなる最適化と、より多くの処理能力を利用できる機能によって、「『Windows』搭載の最新PCのあらゆる利点をウェブブラウジングにもたらす」という。
Microsoft関係者は、IE9向けに最適化されたバージョンのfoursquareのプレビューを披露した。foursquareは2011年のSXSWで(またもや)至る所にみられた位置情報アプリケーションで、「foursquare playground」という新しいウェブアプリケーションが追加されている。foursquare playgroundは、アニメーション表示のHTML5 3Dマップを使用して、ユーザーの位置検出やfoursquareアクティビティが活発な場所の表示、さらに「Bing Maps」(既にfoursquareとの提携の成果が顕著に表れている)への移動が可能なビジネス検索などに利用できる。
これらのHTML5サイトを機能豊富なものにしているのは、ブラウザがCPUとGPUの能力を利用できるようにするハードウェアアクセラレーションだ。Microsoft関係者は、IE9を実行するWindowsコンピュータと「Firefox」を実行する「MacBook Pro」の両方で、同じHTML5サイト(シアトルのロックラジオ局KEXPのグラフィックスを多用した音楽アーカイブ)を表示するデモを行った。驚くほどのことではないが、デモ中のFirefoxの動作はIE9よりもかなり遅かった。「Google Chrome」を実行するMacBookを使用したその後のデモにおいても、結果は同じだった。
MicrosoftのIEは今でもメインストリームで強大な市場シェアを誇っているが、テクノロジ業界のプロフェッショナルたちはかなり以前から、旧バージョンのIEからChromeやFirefox、「Safari」などに乗り換えている。IE9は、Microsoftの「Windows XP」(いまだにWindows PCの40~50%に搭載されている)とは互換性がない。
なお、日本マイクロソフトは、東日本大震災に伴い、Internet Explorer 9日本語版の提供を延期したことを発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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