先に触れた通り、シャープはスマートフォンのSH-03Cだけでなく、多様な携帯電話のラインアップをそろえている。端末の種類も幅も非常に広いものとなっているが、スマートフォンが売れ筋となる中、携帯電話のラインアップを増やすことについて、どう考えているのだろうか。
「開発する側からすれば、2つのプラットフォームを手掛けるのは確かに効率が悪いが、iモード端末で満足している人がスマートフォンに買い替える必要はなく、ユーザーに面倒をかける必要もない。実際のところ、スマートフォンと携帯電話の定義は曖昧で、混在している状況。SH-05C、SH-06Cや、SH-08Cなども使い勝手を重視したタッチインターフェースを備えており、必ずしもAndroidでないといけないということもない。iモードにも10年間の積み上げられた財産があるので、これを使わない手はないだろう」(木戸氏)と話す。
一方で、木戸氏は「予想以上に変化が早いというのは実感している。ここまで一気にユーザーが動くとは思っていなかった」と話しており、Android搭載スマートフォン需要の高まりも強く意識しているようだ。だが現在のAndroidのインターフェースはPCのものに近く、機能的な整備は進んでも使い勝手の面で携帯電話とは異なる部分が多く分かりにくい側面がある。これについて岡安氏は「SH-03Cでもコンテンツのジャンル別にアイコンを並べるなどの工夫をしているが、これで完璧かというとそうではない。現在の携帯電話利用者に向けた取り組みも重要と考えている。テレビやビデオを含めさまざまなインターフェースの研究を全社的に取り組んでおり、それをどう反映していくか検討を進めている」と話している。
形状やデザイン面でも、試行錯誤があるようだ。木戸氏によると「携帯電話の横幅は女性が片手で持てる50mmが最大で、それ以上になると売れなくなる。だがSH-03Cは横幅が60mmで、デザイン的にも男性主体。それでも売れているというのは新しいものへの意欲や可能性で買い替えが進んでいるためではないか。ただこれを女性向けにも広げるよう、幅を50mmにしていくとなると、画面が狭くなるため形状の変化が必要になってくる」と話す。
木戸氏は続けて「以前にも、クラムシェル(折りたたみ)タイプが人気となって一斉にクラムシェルタイプが主流となることがあった。だが、スライドタイプも一定の需要があったし、QWERTYキーを搭載したSH-04A、SH-03Bなどもそれなりに使ってもらえている。みんなが同じタッチタイプになるとは思っていない。特に今後、クラムシェルタイプの機種からスマートフォンへの乗り換えを考えるには、物理キー操作の安心感が必要であり、どう実現するか検討が必要だ」とも話しており、スマートフォンにも端末形状のバリエーションが求められるとの見解を示した。
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