今はまだ「iPad」に「Photoshop」をダウンロードすることはできないが、そのテクノロジは、Adobe Systemsが同社の考えを明かせるようになるくらいには進化している。
この取り組みを主導しているのはAdobe SystemsのプログラムマネージャーJohn Nack氏だ。同氏は米国時間11月4日、Adobeの主力製品であるPhotoshopとタブレットコンピュータの融合について、同社が検討しているアイデアをいくつか披露した。
AdobeはAdobe MAXカンファレンスで、モックアップとプレゼンテーションによって2つの大きな可能性を示した。1つめは、タブレット向けの直接編集アプリケーションで、マルチタッチユーザーインターフェースで操作するもの。2つめはコンパニオンアプリケーションで、普通のコンピュータ上で動作しているPhotoshopをモバイルデバイスで補強できるようにするものだ。
「われわれはスタンドアロンのタブレット向けイメージングツールに加えて、『Creative Suite』アプリケーション(Photoshopなど)向けのコンパニオンも開発しており、設計面でさまざまな方向性を試している」。Nack氏はブログ投稿の中でこのように述べている。
Adobeの最高技術責任者(CTO)であるKevin Lynch氏は先々週、同社のAdobe MAXカンファレンスで最初に「Android」ベースのサムスンGalaxy Tab、次にAppleのiPadを使って、いくつかのアイデアのデモを行った。
最初のデモの中で、Lynch氏はPhotoshopの「Content-Aware Fill」技術を披露した。この技術は、画像に含まれる電話線や昔の恋人といった要素をきれいに削除するものだ。Lynch氏は草原にいるライチョウの画像に指で修正を加えた。数秒間の処理で、鳥がいた部分が草で埋め尽くされた。
次のデモでは、iPadアプリケーションを使って仮想パレット上で色を混ぜ合わせ、できた色を選択し、指で画像に塗った。実際のところこの画像は、接続された従来型のコンピュータ上で動作しているPhotoshopにホストされているものだ。
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